TRPG リプレイ

  アルシャードガイア・リプレイ・ラヴァーズ

 ■クエスターだって恋をする■   
計6時間半
  2010年7月23日 前半(2時間半)
  2010年8月23日 後半(4時間)    書き起こし:マイヤ



GM 演出ロール中心のシナリオをいろいろ考えた結果、今回はラブセッションです。


おにのこ 考えすぎて迷走したな!


GM まだ片想い状態とか既にラブラブとか、いろんな状態の「恋するハンドアウト」を用意しました。PC番号が同じ組(1−αと1−β)がカップルとなります。ハンドアウトの決め方は、クジでかまいませんか?(適当)


だぁ子。 了解です(笑)。


(あみだクジ作成、そして決定)


GM 全員、説明したハンドアウトに異議はありませんね? では、恋人と相談タイムをもうけますので、関係設定をして下さい。


「浮気疑惑って、どうすれば」「個人的に、正義側が悪側に惚れるほうが好み」「というか、性別はどうする?」「せっかく3組なんだし、BLNLGLぜんぶ入れたいなー」
 小一時間かけて、恋人同士で話し合うPCたち。その結果。

GM マイヤ
 男女恋愛大好き! 同性愛も素晴らしい! ていうか、恋はハートでするものです!!な初心者GM。個人的に、超楽しかったです(感想)。

PC1―α だぁ子。 「ダーク・ロモーナ・ゼシア」
 レジェンド4/ダンピール1。二年A組の特待生。透真学園の学生クエスターを統率する立場でもある美少年。武器は鎌(データ上はバスタードソード)。
 自分の面倒を見てくれているギルティ先生のことを深く愛しているが、慎み深い性格のため、言葉にすることが苦手。初恋の相手と手痛い別れを経験しており、その記憶を忘れたいがために逆によく話題にする。しかし、微妙な心理は恋人には通じておらず、浮気疑惑をもたれている。

PC1−β 久保田慎也 「ギルティ・ガルディード」
 ソードマスター3/ルーンナイト3。数学教師で二年A組の担任。
 教師と生徒という立場をこえてダークに恋をし、告白。粘り強いアタックのすえ、見事にダークの心を射止めた男。
 しかし、現在、恋人が浮気しているのではないかと疑い中。

PC2−α おにのこ 「緋上(ひかみ)けい」
 スカウト1/ガンスリンガー1/ホワイドメイジ1。一年A組。
 自分の感情に忠実・ノリで生きてるタイプで、奈落であるコレーが大好きな少女。オープンストーカーだが、いかんせん、いつもコレーが勝手に消えてしまう。

PC3−α ベティ 「バド」
 ファイター2/スカウト1。三年A組、バスケ部所属。長身で筋骨隆々な外見のため敬遠されがちだが、しゃべってみると結構きさくな男。外見に左右されずに自分を見てくれるラヴィエルジュのことが好きだが、気恥ずかしくて真剣な告白に踏み切れずにいる。

NPC2−β 「“冬の柘榴”コレー」
 透真学園に住み着いている奈落の使徒・アポスル。ヤンデレなんだかクーデレなんだか判然としないローテンションガール。

NPC3−β 「ラヴィエルジュ」
 三年A組。バドの喧嘩友達であり、想い人でもあるクエスター。武闘派少女。強く明るいバドに心ひかれているが、バドの態度がはっきりしないため、やきもきしている。


 私立透真(とうま)学園。


 強力な磁場の上に建てられたその学園にはクエスターたちが集い、一般生徒に知られることなくブルースフィアを守っている。彼らは、日夜、世界のために奈落と戦い続けている。


 けれども、彼らは、恋だってするのだ。



  アルシャードガイア 『クエスターだって恋をする』


 蒼き星に、小さな恋の花が咲く。




   オープニング――七不思議調査依頼   ダーク


 青々とした若葉が景色を彩る五月のある日。ダークは、来客室にてひとりの男と向かい合っていた。ゆったりした笑みを浮かべた男はサカキ。クエスターのひとりであり、いつもダークに依頼をもってくる顔見知りの男だ。


GM 「今年度に入って、透真学園で七不思議が流行しているのをご存知ですか?」


ダーク ええ、大流行していますから……小耳にはさむくらいなら。


GM 「ならば、話は早い。透真学園は、それ自体が強力な磁場であり、プラスにもマイナスにも針がふれやすい土地です。突如として流行りだした七不思議によって、学園のマナが乱れています。好奇心や恐怖はマナを、奈落を呼び寄せる。すみやかに七不思議を調査して下さい。奈落クリーチャーと遭遇した場合は、排除を認めます」


ダーク 承りました。


GM 「あなたがたの日常を、あなたがたの手で取り戻せるよう、祈っております」


ダークにクエスト 【恋人の日常を守る】




   オープニング――芽生えた疑惑   ギルティ


 ギルティは見てしまった。恋人であり教え子であるダークが、来客室から見知らぬ男と出てくるところを。こっそりと人目を避けるような仕草。ささやくように言葉を交わし、微笑み合うと、二人は別れた。
 恋人がいつも、初恋の話をすることを、ギルティはとても気にしていた。その相手がどんな男だったのかは知らないけれど……まさか。


ギルティ 了解。不審に思います(笑)。


信じたい。けれど、芽生えた疑惑は消えてくれない。ギルティは真相を確かめることにした。


ギルティにクエスト 【浮気の真相を確かめる】




   オープニング――いつも仲良く喧嘩しよ。   バド


 休み時間。バドとラヴィエルジュが、いつものように話していると、他グループの女の子から声がかかった。
「ねぇねぇ知ってる? 七不思議の場所を好きな人と一緒に巡ると、その人とは永遠に結ばれるんだってー!」「ロマンチックだよねぇ! 二人には巡る人いないのー?」


GM ラヴィエルジュは 「ああたしは、そんな!」 と顔を赤くしてバドをちらり。


バド いねぇよ。だって俺、そーゆーガラじゃねぇもん。


GM 「そっか……そうよね、アンタのこと好きだっていってくれる女の子なんて、そうそういないよねえ!」 ラヴィエルジュは憎まれ口を叩きます。


バド うるせーよ!


GM 「なーにーよー!」 喧嘩が始まったあたりで、ダークから招集がかかります。


バドにクエスト 【片想いの相手に告白する】




   オープニング――ひそやかに咲く百合   けい


 けいは、奈落の使徒・アポスルである“冬の柘榴”コレーを心から愛している。クエスターと奈落、その立場をこえて、けいはコレーを想っていた。しかし、自分がクエスターであるように、彼女もまた、どうしたって奈落だった。


GM 空き教室で、けいはコレーと逢っています。コレーはセーラー服に……そうですね、けいと色違いのカーディガンを着ています。 「最近、ココで、七不思議が流行してるんだってね……」 珍しくコレーから話しかけます。


けい ほんとに!? と、知っていても話を続けるために知らないふりをするよ!


GM 「面白がる者、怖がる者、それを抑えようとする者……今、ここは、さまざまな思念がまじりあってる。わたしたちには、とてもここちよい場所なの……」


けい え、もう、それ、そのままでよくない?


GM クエスターの存在意義を速攻で投げ捨てないで!?
 あっさり言いきるけいを見て、コレーは儚く笑います。 「ほんとうに……おまえは面白いねぇ……」


けい わ、かわいい!(喜)


GM いつもどおりの会話を交わしていると、けいにダークから呼び出しがかかります。他のクエスターの気配を嫌がって、コレーはふわりと宙に浮きあがります。 「ねぇ、けい。今度、七不思議スポットでデートでもしよっかぁ……」 くすくす笑いながら言い捨てて、コレーはかき消えます。


けい 消えるな! いや、すっごいはしゃぐけども!!(笑)


けいにクエスト 【汝の敵を愛せ】




   ミドル01――透真学園七不思議   全員


 放課後、クエスターたちは空き教室に集まった。ダークはクエスター連盟からの依頼を伝え、一行は調査に乗り出すことになる。


GM 情報収集のシーンをもうけましたので、ここで七不思議について詳しい情報を調べ、次のシーンから調査に向かって下さい。判定は、自分の記憶を探るなら【理知】、人に聞くなら【幸運】です。難易度は6。達成値が低いのは、七不思議の噂が爆発的に広まっているからです。


 一行は順調に情報を集めきり、一枚のメモができあがる。


1 歩き回る人体模型
 理科室には、骨格標本と人体模型がある。ふたつは部屋の端と端、対角線上に向かい合う形で設置されている。長い間、お互いをみつめ続けた二体は恋に落ちた。人体模型が校内を歩き回るのは、恋人を閉じこめているガラスケースの鍵を探しているからだという。
2 ひとりでに鳴るピアノ
 少女は恋をした。音楽室の窓から見えるグラウンドで、いつもサッカーをしている少年に。けれど少女は内気であったから、少年にアプローチができなかった。ただただ、想いをこめてピアノを弾いた。風に乗って届いた音に、少年は音楽室を見あげた。はじめて、ふたりの目が合った。少女は精一杯の告白を続けている。いつまでもいつまでも、今でも。
3 渡せなかったマフラー
 編み物の好きな少年は、好きな子に手編みのマフラーを渡して告白した。しかし、想い人は拒絶した。「よく知らない相手から物をもらえない」「手編みは重い」理由はさまざまだが、とにかく確実なのは、マフラーと共に少年の想いも拒絶されたということ。少年は今でも、家庭科室で泣いている。
4 人を喰う本
 お姫様は王子様と幸せにならなければならない。けれど、この本に王子様は出てこないから、姫はいつまでも幸せになれない。男の人は、この本を開いてはいけない。「王子様」にされてしまうから。
5 恋の行方を映す鏡
 二階の踊り場に設置された鏡には全身が映る。鏡は、生徒たちのいろんな姿を映してきた。恋人と通りすぎるときの笑顔、好きな人に会いに行く前に全身チェックするいじらしい姿、失恋した泣き顔……。誰かが言った「ひとりで鏡の前に立ったのに、あの子と歩いてる俺が映ってた」。また誰かが言った「泣きながら、カレにもらった指輪を捨てる自分が映ってた」。いつしか鏡に映るのは、恋の行方だとささやかれるようになった。
6 黒板に書かれた恋の傘
 昔、三年A組に、とても仲のいい二人がいた。二人は想い合っていたが、互いの関係を壊すことが怖くて踏み出せずにいた。二人が日直になったとき、クラスメートが黒板に並んだ二人の苗字の上に相合傘を書いた。少女は恥ずかしくも嬉しくて、どうしても相合傘が消せなかった。少年は真っ赤になって、消さなくてもいい、と小声で言った。以降、その黒板に相合傘を書いた二人は、必ず結ばれるという。
7 不明


ダーク 七つめの不思議は、調べても不明なんですね。ベタだ(笑)。


GM では、調査をして下さい。一不思議につき1シーンとります。全員で行動しても、個々で調べに行ってもかまいません。個々で調べたほうが時間経過は少なくすみます。とりあえず一人が出向き、戦闘などのイベントが発生した時点で他PCも登場判定を行うのもアリです。
 回復などが必要な場合は、調査ではなく保健室に行って下さい。1D6点の回復ができます。回復や情報収集を行った場合は、他PCの応援に駆けつける(登場判定を行う)のに時間がかかります。具体的には、戦闘において1ラウンドぶん。


けい みんなで行こうぜ。3レベルが二人いるのに個人行動するのは避けたい……。


ギル なら、順番に1番から回っていこうか。




   ミドル02――愛の力は無敵なの。   全員


ダーク 道中、私は先生の後ろをついていきます。


けい コレーちゃんを探してきょろきょろする。デートしてくれるって言った……!(笑)


GM 理科室の前に着きました。皆知っていることですが、いつもなら、入って右奥の壁にガラスケースに入った骨格標本が、対角線上――理科室に入ってすぐ左を向けば見える位置に――人体模型が置かれているはずです。


バド ダンダンダン! と理科室の扉を叩く。


GM なんの反応もありません。


けい 入る?


ダーク 入ります?


バド 入ろうぜ。ガラ。


GM 入って、なにを見ます?


ダーク 骸骨のほうを。


バド 人体模型を見る。


GM 人体模型を見ると、ありません。骨格標本は、いつもどおり、ガラスケースにおさめられています。


ダーク ガラスケースを開けてみたい。


GM ダークはガラスケースに手をかける。他の人は?


 フィギュアをめいめいに並べてもらった結果、バドとけいは扉付近を固め、ダークとギルティが骨格標本と近づくことに。


GM ダークがガラスケースに手をかけたとたん、全速力でダッシュする音が聞こえて来ます。 「俺の恋人に手を出すなぁあっ!!」 校内を歩き回っていた人体模型が、けいとバドの背後に現れました。


けい 超怖い!!


GM それに呼応して、骨格標本が 「ダーリン、怖かった!」 とガラスケースをがたがたゆらして叫びます。
 戦闘が開始されますが、ここで今回のハウスルール説明。今セッションは恋愛ロールが目的ですので、戦闘は緩め。具体的には、ブレイク後にHPがゼロになっても、全滅しない限り戦闘後に復活します。


戦闘配置 第1ラウンド

骨格 ダーク       バド
   ギルティ      けい  人体模型


GM ラヴィエルジュは、戦闘には参加しません。敵の標的にもなりませんので、完全にいないものとして扱って下さい。骨格標本と人体模型の距離が15m。骨格標本とエンゲージしているダーク・ギルティと人体模型の距離も同じようなものです。バドとけいは、戦闘移動したら人体模型とエンゲージできるくらいの距離で。


ギル 骨格標本を攻撃したいんですが。


GM 骨格標本はガラスケースに入っているので、一回目の攻撃はケースを割ることに使います。ケースは宣言だけで割れます。骨格標本にダメージを与えるのは、二撃目からになりますが。あ、ですので、エンゲージしてますが〔離脱〕も宣言のみで行えます。


ギル なら、マイナーアクションで人体模型にエンゲージする。戦闘移動が19mだから可能ですね? 命中判定値が12。


GM 当たります。


ギル 《自在刃》使って〈斬〉属性で29ダメージ。


GM 痛ぁっ!(泣) でもでも、けっこう余裕で生きてます。


けい とりあえず真ん中あたりまで下がりたい。8mあたりまで。そして、人体模型に銃を撃つ。〈殴〉14ダメージ!


GM 「私のダーリンにひどいことしないで!」 骨格標本が叫び、《マジックシールド》 11点軽減の上、防御修正によりダメージは通りません。


けい ダイス目6出して通らないなら、けいの攻撃とおらないよ!


ダーク 私、戦闘移動が13mなので、人体模型に届きませんよね……仕方ないので、全力移動して人体模型とエンゲージだけします。


GM 人体模型の手番。バドに攻撃。マイナーアクションで《夜の血》。 メジャーアクションで《闇の棺》を宣言。加えて、《強き血》を取得していますので、4D振り + 3ダメージです……たった11ダメージ!? 自分の腎臓とか投げたのに(笑)。


バド 命中は……当たったな。《奇襲攻撃》で〈殴〉18。


GM 死にかけてる! しかし、ここで骨格標本の手番! ダーリンの援護に回ります。《八卦》+《ヒール》で22点回復!


けい はっ? がっつり回復してません?


GM 「愛の力は無敵なんだから!」


ギル 第2ラウンド。俺だな。骨格標本がうっとうしいが……メジャーアクション使って離脱するのもなぁ。人体模型を殴る。《自在刃》で〈斬〉24。


GM 《八卦》+《マジックシールド》展開して……ああ、それでも12点抜けた!


けい 骨格標本のガラスケースを割ろうかな。でも、ケースを割ったら、彼女は動く?


GM 七不思議から推測して下さい。人体模型は、骨格標本を自由にするために校内中をさまよっていました。


けい ですよね(笑)。しかし、割る! ぱりーん!


GM けいの弾丸がガラスケースを粉々に砕いた瞬間、二人が呆然と呟きます。 「あの子を(私を)自由にしてくれた……?」


ダーク 《夜の血》を宣言。人体模型に攻撃。命中が15。


GM 回避が17。避けました。


ダーク 加護《エーギル》使用します。


GM 初戦で使っちゃうの!? 了解。


ダーク 避けられたかと思いきや、エーギルが空間を歪めてくれたおかげで当たりました。《潜在覚醒》取得してるので、2Dふります〜。〈斬〉18。


GM うわ、防御修正入れて、ぴったり18ダメージで人体模型が倒れます!


けい お、倒した?


GM 人体模型が倒れると、骨格標本は戦意を失います。初戦終了です!


 骨格標本に抱き起こされ、人体模型は自嘲する。
「悔しいな。あの牢獄から君を救うのは、俺でありたかったのに……」
「いいの! あなたがわたしのためにここまでしてくれた、それだけでいいの!」
 骨格標本は、穴の開いた眼窩から涙を流す。その瞬間、あたりが闇に包まれ、二人の声が聞こえる。
「ごめんなさい、と、ありがとう」
 光が戻ったとき、二人の姿はなかった。


GM ダークの目の前に、小さく黒い粒が出現します。


ダーク あやしいなと思いつつも、手を伸ばします。


GM 粒は、ダークの手のひらに吸いこまれました。【理知】で全員ふって下さい。10以上出た人にはわかります。粒は、柘榴の実の一粒です。


バド 小さっ!


ダーク なぜ、柘榴……?


GM 微妙にネタに絡んでますので、考えておいて下さいね♪

 さて、七不思議調査のひとつめが終了しました。


けい 二人を出会わせたご褒美に、コレーちゃんが出てくればいいのに!


GM 無理矢理なフリされたー!(笑) では、コレーちゃん出現します! 少し焦った様子で宙に浮かぶと、けいを見て 「無事?」 と一言。


けい 無事!(きらきら)


GM 傷ひとつないけいを確認すると、 「そう」 とうなずいて……消えます。


けい また消えたー! 勝手に消えられるとストーキングも難しいんだけど!(笑)


ダーク 骨格標本たちがいた場所を見ながら、小さく言います。 愛の力って本当に無敵なんでしょうか……ねぇ、先生?


ギル そうかもしれませんね……。


バド バドは、こんなシリアスな雰囲気には耐えられない(笑)。


GM じゃあ、ラヴィエルジュが近づいていって 「……アンタ、寝てない?」


バド 俺、こんな状況、どうしたらいいかわかんねーよ。


GM 「そうだよね。おんなじ立場なら、そーゆー障害はないんだもんね」


バド 俺らはこんなに近くにいるもんなー……なんでもねぇよ!


GM にごした! 期待したのに! では、ぶすくれて 「バドは、いっつもそうだ」


バド うるせー! ……いつもどおりだ(笑)。




   ミドル03――鳴り響く恋心   全員


ダーク 回復はまだ大丈夫ですよね? なら、全員で次のスポットに行きます。


ギル 順番に音楽室に行くか。


GM 音楽室の扉の前に来ました。中は、いつもならグランドピアノが中央より奥めの場所にでーんと置かれています。部屋の大きさは理科室と同じ、15m四方。


けい 今のところ、鳴ってない?


GM 鳴ってません。


ダーク 窓は?


GM グランドピアノの更に奥ですね。窓からはグラウンドが見えますよ。


バド ピアノに近づく。


GM 音楽室に足を踏み入れた瞬間にピアノが鳴り出します。「エリーゼのために」でも弾こう。


けい 怖いぃ! 扉の陰からのぞく。無人のピアノには近付きたくない!


バド 思い切り驚く!


ギル エンゲージする。


ダーク 動じずに、ピアノに話しかけます。 あなたの恋する男の子は、今もいるの? と。


GM 3人が部屋に入ると、ピアノの音色が変わります。近寄られたくないという敵意があからさまな感じ。というわけで、強制的に戦闘開始。


戦闘配置 第1ラウンド
      バド
ピアノ  ダーク          けい(扉の陰)
     ギルティ


GM ピアノはイニシアチブプロセスに《絶対先制》を使用。
 ピアノが鳴り響き、聴く者の心を破壊します。魔導値18! 全員当たりますね? 6D6点の〈雷〉属性の魔法攻撃いきますよー。


けい 6D6点!? とりあえず自分に《マジックシールド》はります!


ギル 《庇護の剣》で庇えるのは……ひとり……だよな……。


GM 同じエンゲージにいるのは、恋人と教え子。そしてギルティは教師ですね♪


ギル うわぁあああ! どちらを庇えばー!!(一同笑)


GMダーク 私は、ダイス目次第では生き残れますから! 先輩を守って下さい!


GM では、いきます……〈雷〉27点!


けい シールドはったところで死ぬわ!!


ダーク マイナス1点でブレイク〜なんとなく悔しい〜。


ギル 間違いなくブレイクだな……。


GM わー、楽しー♪ 初ブレイクですので、演出しましょう。それぞれ、どうぞ!


「先輩を庇って下さい!」
 叫んだとたん、雷につらぬかれたような衝撃がダークを襲う。思わず地面に伏しかけるが、彼のシャードはそれを許さなかった。
 ばさり、と背から大きな翼が生え、紅の瞳に十字架が刻まれる。銀から黒へと変じた髪を乱し、ダークは立ちあがった。
「……素敵だ」
 ぽつり、とギルティがつぶやいた。教え子を庇った彼もまた、シャードの力により本来の姿を取り戻している。
「あなた、ハーフウルフだったんですね」
 黒い狼耳を生やした恋人をながめ、ダークは感慨深げにコメントした。
 前衛からずいぶん下がった後ろで、けいもまた、倒れこみそうになる己に力強く叫んだ。
「コレーちゃんに逢うまでは死ねないから!!」
 奇跡の光をまとって立ちあがった三人の前で、ピアノが、ぽろん、と悲しげに鳴った。


ギル 《自在刃》で攻撃。〈斬〉24。


GM ピアノのふたがこそげおちました。


けい 《奇襲攻撃》します。命中がクリティカル! 3Dふって……〈殴〉17!


GM 鍵盤の半分を持っていかれました。


けい まだ鳴ってる?


GM 鳴ってる鳴ってる。しかも、鍵盤足りてないからメロディラインが乱れまくり。


けい マジ怖い! 泣きそうです!!


ダーク 《夜の血》使用。命中11。


GM あ、出目いい。15で避けました。


バド 〈殴〉14!


GM 鍵盤が残り5キーになりました。


GM 第2ラウンド! もういっかい《絶対先制》使用、そして先程の魔法攻撃を! 命中19、全員当たったな!?


けい 今度こそ死ぬよ!?


GM 何人か戦闘不能になればいいよ。相談して、誰が生き残るかを決めて下さい。


けい ……5分間の相談の結果。ギルティがダークを庇い、《マジックシールド》は自分にかけます。


GM 了解。では、歪んだピアノの音色がクエスターたちをおそいます。〈雷〉20ダメージ! ギルティは倒れ、バドはブレイクですね。


けい あああ、無理! けいも死んだ!


ダーク 愛しい人を倒されて、瞳をみひらいて鎌をふりかぶります。〈斬〉16!


GM 怒り狂ったダークに、ピアノは叩きつぶされました。戦闘終了しましたので、ギルティとダークはふらふらしながら立ちあがって下さい。


ダーク では、先生を支えます!


 音楽室の扉にすがり、けいは中をのぞきもうとした。が、音楽室は突如、闇に包まれた。
 部屋の中にいたクエスターたちはピアノの思念を感じ取る。 「私をこの世に縛り付けてたピアノが、壊れた……これで、彼のもとへ行けるかな……」
 光が戻り、ギルティの前に、柘榴が浮遊している。ぱしん、とつかみとると、柘榴はギルティの手の中におさまった。




   ミドル04――想いの守り手   全員


 瀕死のギルティとけいは保健室に回復に向かい、ダーク、バドは第6の七不思議……三年A組へ向かう(「相合傘だと、戦闘は起こりませんよね……」 byダーク)。


  保健室組 ギルティ&けい


GM 保健室の扉を開けると、なに食わぬ顔でコレーが包帯を手に待機しています。


けい 治療……お願いします……!(悦)


GM 二人共、HP回復ですね。では、1Dふって下さい。


けい 2!


ギル 1。


GM コレー、包帯巻くの下手すぎるだろう!!


けい そんなコレーちゃんも大好きです。


GM もう、イラっとしてけいに包帯を投げつけとく!


けい ああっ、それでも幸せ(笑)。


GM 包帯ぐるぐるな姿にも関わらず笑顔なけいに、コレーが聞きます。 「どうして……そこまでするの。おまえ、死にそうじゃない。どうしてそこまで」


けい えー……んー。まぁ、そんな日もあるよ。


GM テキトーだな!(笑)
 へらりと笑うけいを見て、コレーは唇をかみしめると、 「そうやって、笑いながら……おまえはいつか、わたしを置いて逝くんだ」 呟いて、消えます。


  七不思議調査組 ダーク&バド


GM 三年A組。いつもの通りの教室。ラヴィエルジュはバドにくっついてます。


バド 黒板に近付いて、チョークを取る。


ダーク 私も。傘だけ書いて、様子を見ます。


GM ダークにだけ、声が聞こえます。 「あなたは、誰と結ばれたいの?」


ダーク 驚いて、それから白い顔を真っ赤にします! 恥ずかしいー!


GM 「幸せにしてあげるわ。私達が、幸せにしてあげる」 やわらかな、少女の声が聞こえ続けます。悪意はいっさいありません。


ダーク 虫唾が走る。傘を消します。人の手を借りずとも、幸せになってみせます。


GM えええええ?(困) では、ラヴィエルジュが挙動不審なダークを心配して声をかけます。 「だ、ダークくん? どうしかした?」


ダーク 恥ずかしかっただけです〜。


GM そ、それだけか。んんー……バドはどうします? 動かない? なら、ラヴィエルジュが動きますね。 「これ、書かないとなんにもわかんないよね」 ガリガリと、傘と、自分の名前を書きー……もう片方の名前に迷い、バドをちらり。


バド なにも考えてないよー。


GM このにぶちんが!(笑) では、 「し、仕事なんだから!」 と言いながら、バドの名前を書く!
 すると、華やいだ声がバドとラヴィエルジュに聞こえます。 「あなたの恋、守ってあげる!」 バド、2Dふって回復して下さい。


バド 全快した。


GM バドは、体が癒された気がします。ラヴィエルジュはダークに説明をします。


ダーク 恥ずかしがりながら、誰にも見えないように相合傘を書きます。名前は自分と、もちろんギルティ先生。


GM ギルティとダークも2D6点回復して下さい。


外野のギルティ 10点回復。


ダーク 7点。けっこういい感じです。


GM 全員に、やわらかい女の子の声が聞こえます。 「守ってあげる。想い合う2人は、私達が絶対に守るから」 ダークの手の中に柘榴の粒が落ちてきます。

 さて、どうしますか? 回復ポイントとして放置してもいいし、敵に回る可能性が心配なら攻撃してもかまいませんよ。


バド 大丈夫そうだから、放っておいていいんじゃないか?


GM 教室を出るところでシーンを切りますが。ダークは相合傘をどうします?


ダーク 消していいのかな……もう書いちゃったし、バレたときはバレたときだ。放置で!




   ミドル05――ハッピーエンドへ向かう道   全員


 シャードで連絡をとり、踊り場の鏡の前で合流するクエスターたち。「恋の行方を映す」と聞き、けいがノリで鏡の前に立った。バドは二番手で、ダークとギルティは離れた位置で静観。


GM 鏡のなかには、コレーが映ります。鏡のなかのコレーは、ささやきかけます。 「けいは、いつも誰かと一緒にいる。わたしにはけいしかいないけど、けいには、わたしの代わりがいくらでもいるの」


けい こんなの嘘だー! がしゃーん!


一同 ええええええええ!?


けい ……と、鏡を割りたいんだけど。割っちゃダメだよね?


バド そりゃ止めるぜ!?


GM え、ええと。 「じゃあ、ずっと一緒にいてくれる?」


けい 当然です(即答)。


GM 「……あと二年と少ししたら、卒業するくせに。わたしはこの場所に囚われ続けるけど、けいは行っちゃうんだよね」


けい (真顔で)留年という素晴らしいシステムを使えば、あと十年は保障され……。


GM 本気!?(笑)


けい その後は職員としてこの学校に居座るよ。


GM もう、あっけにとられた顔しかできない(笑)
 「これだから……わたしは、おまえを手放せないんだ」 コレーは泣きそうに笑い、けいに柘榴の粒を渡して消えます。


けい おう。受け取る。


バド 次は男らしくバドが映ろう!


GM バドにだけ見えるのは、ラヴィエルジュの姿。 「バドは、いっつもなにも言ってくれない」「バドと一緒にいるのは、楽しいけど。でもそうじゃなくて、あたしは、バドの特別でいたいのに」 苛々した様子で、ガンガンと鏡を殴りつけてます。


バド 鏡に向かって ラヴィー!! と叫ぶ(笑)。


GM 面白い反応きた!?(笑) では、現実のラヴィエルジュがバドの学ランの裾をひっぱります。 「バド!? なに叫んでんの、あたしココにいるよ!?」


バド ごめん、オレ、幻覚見てた。


GM 「それはそれで心配だよ!?」(笑)
 鏡のなかのラヴィエルジュは呆れ顔です。 「そうやって、あたしのために一生懸命になってくれるなら、ちゃんと言ってくれればいいのに」


バド 鏡にはりついて、我に返って現実のラヴィに向き直って……迷うなぁ。


GM 「バド……さっきから、大丈夫?」 ラヴィエルジュが顔をのぞきこもう。


バド ちょっと恥ずかしくなってごまかしながら、よし、決心をしよう! 鏡に映ったのが、真実だろうとニセモノだろうと……オレは、オレの信念を貫き通すだけだ。


GM あら、不意打ちでカッコイイことを。ラヴィエルジュがきゅんとしますよ。


ダーク うわー。私も映りたくなってきた! 先生がどう思ってるのか知りたい!


GM このカップルは、ドロついたハンドアウトのまま、関係改善されてませんよね。ならば、鏡に映ったギルティはダークから目をそらしています。 「やはり……生徒と教師の恋愛など……するべきではなかったのだろうか……」


ダーク くるっと後ろを向いて取り乱す! 先生、なに考えてるの!? 私のなにが悪かったんですかー!


ギル いきなり、なにを言っているんです!?


ダーク わたしのっ、私のなにが悪くて別れるなんてー!


けい 修羅場、ガン見(笑)。


GM 鏡の中のギルティが語りかけます。 「君はいつも、他の男の話ばかりをする。その状況で、どうして君のことを信じられるのです? 俺にはもう、君が信じられません」


ダーク その言葉を聞いて、現実のギルティを見たまま、言います。愛の力は無敵だって、彼らは言ったけど……本当にそうなら、あなたのことを傷つけずに済んだのかな。


ギル 浮気は、誤解だったのですか?


ダーク うわ、き? そんなっ、私、浮気なんてまったくしてないですけど疑わせてしまったんですかごめんなさい〜っ!!(テンパり中)


ギル ……なら、いいんです。


GM リアルギルティはあっさりしてるな。なら、鏡の中のギルティが。 「年上だからといって、余裕なんてありません。いつだって俺は、君のことをつなぎとめておけるか不安でたまらない。そんなものですよ」


ダーク 鏡に向かって言います。さっきからそんなふうに言われたら、精神がぐらついてたまんないじゃないですかっ! こっちだって、いつも先生のこと心配で仕方ないんですからねっ!!


GM 「それを、『ギルティ』に伝えてやって下さい」 満面の笑顔になり、鏡のなかのギルティは消えます。


ダーク ……ぽかんとしたのち、現実の先生に言います。先生、ええと、心配かけてごめんなさい。でも、私も、先生のこと、いつだって心配してます、から。


ギル 満面の笑みで言おう――ありがとう。




   マスターシーン――ハッピーエンドの迷い道   全員


「こ、これ、聞かなかったことにしたほうがいいのかなぁ? ぎ、ギルティ先生とダークくん、そーゆーことだよねぇ?」
「ん? オレ、なんも聞いてなかったけど? どしたの」
「バドはいつもそうだぁっ!!」
「は、恥ずかしい……せんせい〜……」
「ね、イラっとするから、この鏡割っていい?」
「緋上さん、学校の備品を壊さないで下さい」
 がやがやと騒ぎながら、クエスターたちは次の不思議へ向かう。
 残された鏡に、青年の姿が映った。
「ずっとそばにいる。彼女は、はっきりと 『恋鏡』 たる俺に言いましたよ」
「聞いていたわ」
 ふわり。カーディガンを着た奈落が宙に現れる。泣きそうな、それでいて嬉しそうな……恋鏡が擬態したものとまったく同じ表情で、少女はうめいた。
「それ、でも。わたしは、けいを、確実に。だって、わたし、」
「あなたの好きなようになさればいい。俺たちも、己の望みをかなえるだけ。俺は恋鏡。恋の現実を映し、語り、希望を持たせ……幸せな未来へ導くことが俺の望みです」
 青年の笑い声が消えたとき、踊り場の鏡は、いつも通りにあたりの風景を映していた。
 鏡に映らぬ少女は、すがるように手のなかの柘榴をにぎりしめると……かき消えた。




   ミドル06――私だけの王子様   全員


GM ……さっき、シーン切る直前にけいがブレイクして回復したから……現在、全員、HPMP共にマックスですね……?


けい 《ヒール》で自分を回復してから任意ブレイク、他人を《ヒール》。考えたでしょ?


GM おかげで、せっかく設定した保健室が活かされませんけどね!(泣)


けい あはは(笑)。次はどこに行く? 図書室は明らかに危険だよな。


ダーク 家庭科室の男の子も、失恋して泣いてますよ。図書室なら、女性が本を開いたら、なんとかなるかも。


けい そう……かなぁ? まぁいいや、なら、図書室行こう。


GM はい。図書室に着きました。まずはじめに、問題の本を探さなければなりません。誰が探すかを指定して下さい。判定は【知覚】です。


バド 全員で手分けして探せばいいんじゃねぇ?


GM ならば、一斉に判定して下さい。


ギル 13。いちばん高い。


GM 男性ですね。ローックオン★ 本をみつけた、と考えた瞬間、ギルティはなぜか本を手に取り、開いてしまいました。


ギル えええええ。


GM 本を開いた瞬間、全員、妙な気配がしたことに気づきます。


ダーク 駆けつけます! かけがえのない人だもの! あと、今までの戦闘は忘れてたけど、《狩場展開》しておく!


GM ダークは本とエンゲージする距離、けいとバドは警戒して少し離れた距離、ですね。全員は駆けつけると同時に、ギルティが本のなかに取りこまれるのを目撃します。
 床に落ちた本。白紙だった見開きページの右ページにギルティ、左ページに金髪縦ロールにひらひらドレスの見るからに姫! なお姫様の姿が現れます。今にもお姫様がギルティのいるページに進入しようとしてる、みたいな。


ダーク ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさい!!


GM 「王子様!」 と大喜びな姫とは対照的に、ギルティは姫から逃げようとー……ギルティ、もしかして受け入れる?


ギル いや、恋人いますし(笑)。


GM ギルティは姫から逃げようとしています。


ダーク (即)ページ破っていい?  破るよ。先生に怒られてもいいから! 破るよ!!


GM 自分が存在するページを破られてしまうと、姫様は逃げまどい、現世に現れます。 「なにをなさいますの? この野蛮人!!」


ダーク そちらこそ、私の先生を取らないで下さい! というか、私に成りすまさないで下さい! 縦ロールかぶってます!!


GM 後半は言いがかりだろ!(笑)
 姫は、びしりと扇でダークを指します。 「あの方は、わたくしの王子様なのです。決めたのです。だからおまえはいらないのです!」 宣戦布告と共に戦闘に入りましょうか。


ダーク ですね!! 女性でも手加減しませんから!!


けい その前に。これさ、ギルティ先生のページ破いたら、先生出てくるんじゃ?


けい 戦闘前に気づかないで欲しかったな……(笑)。


ダーク でも痛そう! 本に呼びかけて、先生に許可取っていいですか!


GM 【幸運】対決でもしましょうか。


ダーク クリティカルっ!


GM ……まさかのファンブル。もうやだ、このカップル!(笑)


「わたくしの王子様を返して下さいませ!」
 伸ばされた白い腕を、ダークは容赦なく叩き落とす。
「だれがあなたの王子ですか! わ、私が女の子だったら、私こそ本のなかに入りたいくらいなのに!!」
 愛しい相手が描かれた紙に手をかけながら、少年は叫ぶ。
「先生! 最大限に注意しますから、破いてもいいですか!!」
「かまいません!」
 はっきりした声で許可がおりる。ダークは勢いよくページを破いた。


GM 更に、ダークは【反射】でふって下さい……達成値に1足りませんね、破けはしたものの、少しだけギルティに傷が入りました。ギルティのダメージ1D6点、ダークみずからお願いします。


ダーク 4ダメージ! あうう、ごめんなさい〜!


GM では、あらためて戦闘開始です! 行動値の高い方からどうぞ!


ギル 〈斬〉22。


GM …………酷いわ、王子様―。(ぱたん、とフィギュアを倒す)


けい 姫、かよわっ!


GM 最大HPの二倍くらいのダメージきたわ!!
 倒れると、姫はかききえます。本を持ってるのはダークですね。どうします?


ダーク とりあえず、本を閉じます。


GM 本を閉じる瞬間、無数の声が聞こえます。 「王子様」「王子様の気配がするわ」「たくさんたくさんいらっしゃるわ」


バド 怖っ!!


けい 燃やしちゃおうぜ、そんなの(引)。いや、このパーティは魔法使いいないのか。でも、それ、どう考えても危険だろ。


ダーク 先生に確認する。この本、びりっびりにしても構いません?


ギル んー……。


GM ギルティ、【知覚】判定して下さい。クリティカル? ならば、あっさり判明します。その本は学校の備品ではありません。バーコードがついてない。


ギル 破いてもかまいません。


ダーク 鎌で斬ります。 王子様は別の世界にいます。あなたたちの世界に帰りなさい!!


GM 「王子様……どうしてぇ……っ!」 断末魔の叫びがダークの精神を攻撃します。問答無用で〈斬〉16くらって下さい。
 では、シーン切りまー……。


けい その前に回復するね♪


GM 気づくなよおお(泣)。回復が終わったあたりで、ギルティは、いつのまにか手のなかに柘榴が一粒あることに気づいて下さい。




   ミドル07――面影すら失くして   全員


GM 六つめの不思議は家庭科室です。家庭科室の前まで来ると、それだけで感じます。なんか空気が暗い。見えない雨雲が見えそうな感じ。


ダーク 先生……落ちこんだら、あとで慰めて下さいね。


ギル はいはい。


GM そこのカップル、もう自重する気ないな(笑)。


けい で? 入るの? けいは怖いから扉の前でウロウロするよ?


バド 入んねえの? けいの背中を押す。バドは空気なんか読めないし。


GM けいが強制的に踏み出したら、扉が自動的に開きましょう。けい、なかに入れ(笑)。


けい あああ押されたーと思ったら入っちゃったー!


GM 入室したけいには見えます。編み棒と毛糸が宙に浮いて、ちくちくちくちくと編み棒がマフラーらしきものを編んでいます。何十mもあり、長すぎてもうマフラーとも思えませんが。


けい 泣きそうなんで、一回、部屋から出ていいですか。


ダーク&バド&ギル 部屋に入る。


GM けい、皆は来るようですが……。


けい 出る(きっぱり)。


GM では、三人が入室し、けいが退室したとたん、扉がぴしゃりと閉まります。


けい なんとっ!(笑)


GM 扉が自動で閉まると同時に、家庭科室に結界が張られます。
 部屋に入ったPC達には、編み物をする音と共に、すすり泣きが聞こえます。 「もっと綺麗に編めば受け取ってもらえたかも知れない……編まなきゃ……もっと綺麗に編まなきゃ……」 ぐじぐじぐじぐじ、男の子が泣いています。


ダーク そこにいるのは、だれ?


GM 「だれ……? ぼくは、だれなんだろう……わからない……編まなきゃ、マフラーを編まなきゃ……」 あまり反応がよくないですね。編むことに固執しています。


ダーク その努力は尊敬に値しますがね……。会話が成立しないのかなぁ。


GM 「君はだれ? あの子じゃないひとなんて会いたくない。ぼくはマフラー編まなきゃいけないんだから邪魔しないでぇ……」 マフラーは混乱しています。自分に会いに来てくれたと思ったら、期待した好きな子じゃなかったので。


ダーク そんなこと言うから、その子も来てくれないんだってば。


外野のけい きつい……!(笑)


GM あー……言いたくなる気持ちもわかりますが、それは禁句です。 「そんなことないもん! 君にぼくのなにがわかるんだよー!」 泣きわめきながら、マフラーはダークに襲いかかります。戦闘開始です。


ダーク えー。だって、なんか言わないと話がすすみませんし。


GM なぐさめるって選択肢もありましたよね?(笑)※


※なぐさめる〜 少年は「好きな子」と「編む」ことのみに固執している。そのため、他の質問に対しては反応しないが、好きな子やマフラーについて聞くと会話が成立し、戦闘回避も可能だった。


戦闘配置 第1ラウンド
          ギルティ
 マフラー(飛行) ダーク     けい(結界外)
          バド


GM 全員、マフラーとエンゲージした状態からスタートですね。マフラーは行動値が12ですので、ギルティからどうぞ。


 マフラーは回避値が高い上、常に〔飛行〕状態なため自由にエンゲージを移動できる。怒らせたPCに対してパラメータを上げる、という設定もしていたため、ひらひら動き回りつつ、ダークをうっとうしく狙っていく……という作戦。
 しかし。


ギル 〈斬〉22。


GM ギルティしか当たってないのに、なんで3ターンしか保たないのー!!(泣)


けい さすが固定値〈斬〉17……。


 ズタズタに裂かれたマフラーは、地に汚れながら、バドに柘榴の粒を渡そうとする。
「わたして……あのこに。ぼくの、きもち。ああ……もう一度、編みなおさなきゃ」
 しかし、柘榴の粒がバドの手に渡った瞬間――世界が、変わった。




   クライマックス――永遠の柘榴をあなたに   全員


 集まった六粒の柘榴がクエスターたちを運ぶ。連れられた場所はグラウンド。しかし、だれの姿も見えず、なんの音も聞こえない。結界内どころか、異界にも思えるそこに、しずかな声が響き渡った。
「ようこそ、透真の心臓へ」
 ふわりと宙に浮いた少女奈落――コレーは、くすくすとわらいながら現れた。


けい コレーちゃん!(喜)


GM 「辿りついたんだね、けい」 コレーは、不自然なほどの笑顔でけいに笑いかけます。 「ほとんどの人にははじめまして。わたしは“冬の柘榴”コレー。この学園の七不思議の統括者です」 ぺこりとお辞儀したのち、コレーはとうとうと語り始めます。


 わたしは、この学園が建つずっとずっと昔に、たったひとり、この地で息絶えた。わたしは生きたかった。わたしはひとりが嫌だった。それだけで、わたしはこの地に縛られた。
 そののち、ここに学園が建った。いろんな意思が学園に集まり、わたしに力を与えた。何十年何百年生きるうちに、闇に囚われたわたしは奈落の力をたくわえた。奈落の使徒――アポスルと呼ばれるほどに。
 わたしは学園に想いを残すモノたちに力を分け与えた。王子様が来ないことを嘆く姫君たちには、みずから王子を捕らえる力を。想いを伝えられないまま卒業してしまった少女には、媒体たるピアノが存在する限り告白し続ける力を……。
 六不思議たちとわたしの力はうまく噛みあわなかった。でも、わたしは、恋をした。
 けい。わたしは心からおまえを愛した。その結果、わたしと六不思議たちは更なる力を手に入れた。恋する心は、恋する心に通じるから。
 六つの不思議に触れて、七つめに手を伸ばした者を、わたしはけして逃がさない。おまえたちのマナを絶望に変えて、わたしは今こそ七つめの不思議になる!


GM 「おいで、学園に囚われし哀れな不思議たち!」 他の不思議たちを強制的に呼び出しながら、コレーはけいに宣言します。 「わたしはおまえのマナを喰らいつくし、おまえを奈落に変える。そしてこの恋を永遠にするの!」


けい ……前に飛び出したい……!(笑)


バド やめろ(笑)。


ダーク せつない、ですね。


ギル 戦闘するしかないのか?


GM はい。でも、いろいろフラグを立てたので、更にイベントがおこります。


「コレーさま。俺たちは、ハニーを檻から出してくれたあの子たちと戦えない!」
 骨格標本と人体模型は、主に逆らってかききえる。
「足止めだけで、よいのですね。この戦いが終われば、私を解放して下さるのですね……?」
 結界を張らぬままに破壊されたからこそ呪縛が解け、想い人のいる天に昇るはずだったピアノは、その場にはとどまるものの、戦う意思はない。
「はぁーっはっはっはっ!! 愛する者と添い遂げたいなら、この俺を倒すがいい!!」
 恋鏡は己の存在意義を果たすため、意気揚々と前に飛び出す。
「王子様おうじさまオウジサマおウジ様」
 宙に浮いたばらばらのページたちから、姫の声がする。
「また、おまえかっ! 今度こそ、ぎったんぎったんにしてやるからなっ!」
 マフラーはダークを見て、怒りをあらわにする。
集まった不思議たちを見て、コレーが小さく舌打ちした。
「……やはり、来ないのね。傘め……」


GM というわけで、敵を配置しましたので、お好きなところに行って下さい。


ダーク 私は、マフラーから離れたい……。


戦闘配置 第1ラウンド

                  ダーク
コレー      本    鏡  ギルティ     けい
     ピアノ    マフラー バド


GM コレーは他の不思議たちと魔力を連動させており、六不思議たちの魔力タンクの役割を果たします。攻撃対象になりませんし、こちらも攻撃しません。主に加護を使用しますね。行動はセットアップ。
 鏡やマフラーから15m地点に本、更に5m後ろにピアノ。鏡とダークが、マフラーとバドがエンゲージ。ギルティは真ん中で、鏡・マフラー両方とエンゲージですね。けいはギルティから15m離れるとなると、ウチの後衛組(ピアノたち)からめちゃくちゃ遠くなりますが……。


けい 攻撃を喰らうとまずいので、それでいい。武器が銃なので、敵前衛には届くし。


GM 了解しました。では、クライマックス戦闘、開始します。


GM 第1ラウンド。セットアップにコレーの行動。 「七不思議に加護を与えます」 これで、コレーの持つ加護を不思議たちが使えるようになりました。


ギル 行動値14、一番手は俺だな。マフラーに攻撃、クリティカル。〈斬〉26。


GM うん、HP半分くらい削られた★
 行動値14なので、ピアノの行動。攻撃したくないので《スリープ》を使用します。魔導値19。全員くらいましたね? バッドステータス【放心】して下さい。

 続いて、行動値12のマフラーの行動。マフラーは〔飛行〕状態ですので、エンゲージしてても関係ない! 憎いアイツを狙いに行きます! ダークに攻撃―……しようとしてファンブルー!!
 更に続いて、行動値10の鏡。狙うべきは、行動してないダークですね。 「恋の試練だー!」 わっくわくしながらギルティに姿を変え※ 攻撃します。〈殴〉12!


けい その攻撃を《マジックシールド》で5点軽減する。次、行動値9のけいが動く。ギルティに《エンチャントウエポン》固定値が20ダメージになるよ!


※ギルティに姿を変え〜 ドッペルゲンガーの特技《変身能力》。知人であっても見破るとこが難しいほど精緻に、他人の姿を写し取る。データに変更はない。


ダーク 行動値6、私の攻撃です。鏡に攻撃するけど、命中値が9。


GM 回避が10。 「好きな相手の姿でも、殴らなきゃダメだぞー? はっはっはー!」


バド 行動値5のバドがやっと動ける……。鏡に攻撃。でも、避けられた。


GM 同じく行動値5、本のターン。本は、お姫様を召喚します。エネミーデータからダイスふってランダムで……魔導部隊を召喚。召喚された姫は即座に行動します。行動タイミングは本と同時。なので、魔女姫はバドに《ファイアランス》! 〈炎〉11!


バド ダメージ素通しか。でもまぁ、大丈夫だろ。


GM クリンナップフェイズになりましたので、イベントが発生します。バド、ギルティ、ダークは、それぞれ1Dふって、HPを回復して下さい。


ダーク あらっ?


GM 「恋する人たちは守るって、言ったでしょ?」 三年A組で聞いた少女の声が軽やかに響きます。


ギル 完全回復だ……他の奴らもそこそこか。



GM 第2ラウンド。今のところ大丈夫そうなので、コレーは待機します。


ギル 鏡に攻撃。命中18。


GM 回避クリティカルー! 「はっはっはー!」 ひらりとよけます。
 ピアノはまた《スリープ》。全員、もっかい【放心】して下さい。
 マフラーは、ダークを本気で倒しに行きます。《トール》使って、〈神〉属性でちょうど40ダメージ!


ダーク ブレイクします。


GM 続いて、鏡がバドに攻撃。ラヴィエルジュに姿を変えて〈殴〉10。


けい 《マジックシールド》! 6点軽減するので、4ダメージ。
 けいのターン、マイナーアクションでMPポーション飲みます。4点回復。メジャーでバド先輩に《ヒール》。8点回復。


ダーク 《夜の血》使用します。鏡に攻撃するけど、当たらない。【放心】きついよう……ピアノを先に沈めるべきなのかなぁ。


GM 次、けいが動こうか。


バド 俺も〔離脱〕する。


GM 本がシュリーカーを召喚。キノコの王冠かぶったお姫様です。前衛から10m地点でだれともエンゲージせず、ギルティに魔法攻撃。〈闇〉6点。
 次に、魔女姫。けいが孤立してるのが気になる……マフラーの横に並び、けいに《ファイアランス》。〈炎〉9ダメージ!


けい よし、生き残った!


GM クリンナッププロセス。ブレイクしてる方も構いません。回復して下さい。


ダーク HP22まで回復した! 嬉しい!



GM 第3ラウンド。コレーはなにしようかな。


けい ていうかさ、けいとコレーちゃんがいちばん遠いよね……。


GM 確かに! それなら、ふわり、と飛んでけいの真横に移動します! で、けいと対決しましょう。【意思】で対決して、コレーが勝ったら、このラウンドだけエンゲージを封鎖します。 「けいが奈落になってくれれば、ずっと一緒にいられるんだよ……?」 あれ、でもダイス目悪っ! 8です!


けい 勝ちました(さらり)。


GM 「……やっぱり、けいもわたしをおいていくんだ。しょぼん」(笑)


ギル 鏡を倒す。バド、《トール》を使わせて下さい。〈斬〉53!


GM 「君たちは幸せになれるはずだ。グッジョブ!」 鏡は笑顔で倒れます。


ギル 鏡、いい奴だな!(笑)


GM 《スリープ》はやばいと判断したピアノは、まだ単体攻撃のほうがマシだろうと攻撃にまわります。ランダムで……ダークに〈闇〉16!


けい 《マジックシールド》。4点軽減。


GM マフラーはダークに攻撃―……って、またファンブル!?(笑)


けい けいは、前線まで移動します。


GM 「行っちゃうの? けい、行っちゃうの?」(笑)


けい (即)移動せずとも、マフラーには銃を撃てるよな!


GM うわ、本気で引き止め成功した!


けい でも、本が召喚し続けるのをどうにかしたいし……もう、コレーちゃんめ。ああ、そうだ、一緒に来ればいいじゃない!


GM 「……そう、だよね!」 説得されました。ここも地味にバカップルか!(笑)


けい よっし、じゃあ、本に届くギリギリの距離まで移動。〈殴〉12!


GM はい、本は一撃死です!


ダーク マフラーとエンゲージしているから、彼を殴るしかないんだよな。加護いるかなぁ……うーん……とりあえず命中判定。って、クリティカルするし! 考えこんだ意味ない!(笑) 〈斬〉22!


GM いま、全HPの1/3くらいしか残ってない。けっこう痛い。


バド キノコにエンゲージして、片付けとく……って、命中8かよ。


GM それは……さすがに避けますね。キノコ姫はバドに攻撃。〈闇〉9点。続いて魔女姫! けいに〈炎〉8点!


けい ブレイクします。


GM 主の恋人相手か……しかし、回復役のけいを落とせば戦闘が楽になるはず(ぶつぶつ)。決めた! 《フレイヤ》宣言! もっかい、けいに《ファイアランス》! いっかい倒れろ! 〈炎〉15!


けい 酷いぃい!! でもギルティ、《タケミカヅチ》使って!


GM 計算高いな(笑)。マイナス1だよ、死ぬよ!


一同 やったー!!


GM クリンナッププロセス。バド・ギルティ・ダークは回復して下さい。



GM そして第4ラウンド。コレーは、けいの死体を見て動揺しています。 「これで、これでいいはず、なの!」 動揺により、能力が暴走。ランダムで……本を蘇生。ルール的には《イドゥン》です。


戦闘配置 第4ラウンド
        魔女姫
       マフラー ダーク
    本       ギルティ  コレー
ピアノ   キノコ姫 バド     けい(死亡)


ギル 移動して、本を倒しに行く。命中14。


GM 回避11。せっかく蘇生させたのにそれはない! 《ミューズ》使用、クリティカル値を7に変更してクリティカルにします!


ギル 《フレイ》を使って《エーギル》をコピー、クリティカル判定をファンブルに塗り替え。〈斬〉26。


GM 一撃死だっつってんだろー!(泣)
 ピアノのターン。容赦すると駄目なことが判明したので、もっかい《スリープ》!


ダーク 【放心】が発生したあとで、《ガイア》使用。けいを生き返らせる!


GM 続いて、マフラーの攻撃。わぁ、やっと当たった! 〈刺〉13!


けい 真ん中が空いてるから、一気に駆ける! ピアノに《奇襲攻撃》! 命中17!


GM 《マリーシ》を使用し、防御をクリティカルにします!


けい 《フレイヤ》使用。〈殴〉11。


GM 結局当たったしー!


ダーク [離脱]します。マフラーから逃げて、バドの隣に行きます。


バド 《ヘイムダル》使う。キノコに〈殴〉14。


GM 余裕でオーバーキルです。
 これで……残ってるのが、マフラーとピアノのみ? 意外すぎる……では、マフラーが最後の力をふりしぼって《フレイヤ》を発動。ダークを追い、攻撃を仕掛けます! もったいないけど《ヘル》も乗せて5Dふってー……〈刺〉14!?


けい 《マジックシールド》。3点軽減。


ダーク 1点残る。


GM 嘘―!? ああもうっ! クリンナッププロセスです。回復して下さい!(笑)


「どうして……誰も絶望しないの。どうして、けいが死んだら胸が痛むの」
 コレーは、ひとり立ちすくむ。けいが死んだその場所で。
 けいは今も戦っている。戦わせているのは自分。そんな自分に、恋人は一緒にくればいいと言ってくれた。なのに、コレーはここから動けない。
「わ、たし、ほんとうは、どうしたらいいの……教えて!!」
 コレーは叫んだ。答えをくれる存在を望んだ。
「……答えなんて、とっくに出ているだろうに」
 冥府より呼び戻された青年は、苦笑しながら立ちあがった。



GM 第5ラウンド。セットアッププロセスでコレーが《イドゥン》を使用し、恋鏡が復活します!


けい 苦戦したのが帰ってきちゃったー!


ギル やっとピアノにエンゲージ。〈斬〉28。


GM 半分ごっそり持っていかれました。
 ピアノ、恐らくは最後の《スリープ》! 全員、【放心】して下さい!
 マフラーがダークに攻撃! ダークだけは倒したい! 〈刺〉10!


けい 《マジックシールド》。5点軽減。


GM マフラーに優しさを下さいよ!!(笑) 次、鏡の攻撃! バドに命中11!


バド あ。回避11。


GM 【放心】してるくせにぃいい!


けい マフラーを攻撃。《ヘイムダル》使います。〈殴〉16。


ダーク マフラーに攻撃。ファンブル(笑)。


バド 鏡に攻撃するがー……当たらないなぁ。


GM クリンナッププロセスで回復して、第6ラウンド。コレーの行動なのですが、位置的に、けいに銃を向けられてるんですよね。というわけで、コレーはおどろいて行動を放棄します。 「やっと……わかった。好きな人に敵意を向けられる怖さが」


ギル ピアノを倒す。命中17。


GM まさかの回避17! 避けました! 続いて《スリープ》! 全員、【放心】し……。


ギル 抗魔値判定、クリティカルした。


一同 意味ねー!(笑)


GM マフラー、ダークに攻撃! って、回避クリティカルされたし! 怒りはなにも生まないというのか!(笑) 鏡はバドに攻撃。〈殴〉10。


バド 《タケミカヅチ》。


GM HPの1/3削られました。


けい マフラーに攻撃。〈殴〉14。


GM あ。戦闘不能。


ダーク ありがとうー! では、私は鏡にエンゲージしたけど、攻撃はー……当たらない。


バド 俺も外した。


GM クリンナッププロセス。ていうか、既に回復の必要性があるのはダークだけだよね。
 第7ラウンド。けいとみつめあってるので、コレーはやっぱり行動放棄です。


ギル ……悪い。ファンブル。


ダーク 《ガイア》使ってクリティカルに塗り替えます。


バド 《トール》も乗せとけ。


ギル 〈斬〉65!


GM 当たり前に倒れるわ!!
 鏡の行動ですね。 「俺が最後の試練だな!!」 ラヴィエルジュに変化して、バドに殴りかかります! 命中13!


バド 回避16! 避けた!


けい 次、けいなんだけど……コレーちゃんとみつめあいたい。


ダーク え、ちょっと、けいさん?(困)


GM コレーの状況説明。けいと永遠に一緒にいたくて、けいに刃を向けました。しかし、うまくいかないし、実際にけいに銃口向けられると超怖くてふるえてます。


けい 全力で近付いてなぐさめに行きます!!


ダーク えええええええ!!(笑)
 じゃあ、鏡を倒しますよ! あれ、でも、避けられた!?


バド 俺も……まったく当たらないぞ……?


GM 鏡の出目が異様にいいからです……。クリンナップで回復して、第8ラウンド。


ギル 鏡にエンゲージ。よし、命中した。〈斬〉28。


GM ……「やっぱり、アンタは幸せになれるよ。あっはっはっは!!」 大爆笑しながら、鏡は倒れます。
 全員、なんだかんだでけっこう余裕で生還しました! おめでとうございます!!




   エンディング――これからはじまる、新しいカンケイ   バド


 戦闘ののち。ラヴィエルジュはバドのもとに駆け寄り、やっと安心したとばかりに息をついた。
「これで、終わり、かな……?」
 おそるおそる問いかけてくる少女に、バドが恥ずかしさをこらえて切り出した。
「……まだ、やり残してることがあるじゃんか」
「え、まだ敵がっ?」
「違ぇよ。両想いほどのハッピーエンドはないだろ。……その、オレたちも、離れ離れにならねーよーに、一緒になってもいいんじゃねぇか」
 照れくさそうに告げたバドの顔をみつめたまま、ラヴィエルジュは固まった。ゆるやかに、その頬に朱がのぼる。
「うれし……っ、そうだよね! っていうかほら、あたしたち、七不思議を一緒に巡ったもんね!」
 物慣れぬ少女は、真っ赤になって恥じらい、できたばかりの彼氏を見上げる。
「じゃあ、これからもよろしく、かな?」
「もちろんだ!」
 嬉しそうに笑みをこぼすラヴィエルジュの肩を、バドも笑って叩く。
 今までより、少しだけ近い距離で。




   エンディング――変わらずに、ふたりで。   ダーク&ギルティ


 グラウンドで、ギルティとダークは向かい合う。
「えと、せんせい?」
「ああ。なんです?」
「ええと、先生に傷がつかなくてよかったな、って……」
「……俺は、君が傷つくのを見てられませんでした」
「ふふ。ほんとうに、ふたりとも無事でよかった……ああ! それから! 浮気は! 浮気は絶対にしてないからね!!」
「それも、本当によかった……」
 激戦のあとだとは思えないほどにのんびりと、試練を乗り越えた恋人たちは笑いあった。




   エンディング――百合は陽の元で咲き誇る   けい


 コレーは、手のなかの柘榴をけいに見せる。
「冥界の王・ハデスは、恋した娘に柘榴を食べさせて、死の世界に留め置こうとしたの。けれどハデスは六粒しか食べさせなかったから、妻は……コレーは共にいられなかった。だから、わたしは七つめの粒をおまえに食べさせたかったの」
 馬鹿みたいだよね。ぐしゃり、とコレーは柘榴をにぎりつぶす。
「こんな方法じゃ、駄目だった……」
 落ちこむコレーに、けいはいつもと変わらない明るさで告げる。
「そんなこと、いいじゃない!」
「え……」

「だって、いま、ここで、ふたりいっしょにいるもの!!」



 今が続いて、未来になる。
 だから、今が幸せならば、全員、きっとずっと、ハッピーエンドだ。