TRPG リプレイ

  アルシャードガイア・リプレイ・ハプニング

 ■はた迷惑な来訪者■   
計4時間
  2009年7月29日セッション   書き起こし:マイヤ


GM マイヤ
 純粋な馬鹿と鬱陶しいまでに熱い男をこよなく愛する初心者GM。シティアドベンチャーははじめて。

PC1 久保田慎也 「ギルティ・ガルディード」
 ソードマスター4/ルーンナイト3の偉丈夫。

PC2 ちゅま 「天川夏彦」(あまかわ・なつひこ)
 ファイター3/ルーンナイト2の少年。

PC3 だぁ子。 「ダーク・ブロイズ・デクロッツ」
 レジェンド3/ダンピール2の美少年。

PC4 でっせむ 「日下部隆之」(くさかべ・たかゆき)
 サモナー2/レジェンド1の青年。

NPC1 「マーリン」
 いわずとしれた、クエスターの導き手たる公式NPC。しかし、どこをどう間違ったか、我が卓では初回からずっと、ただの変な爺。ほんとごめんなさい。

NPC2 「サカキ」
 ギルティの師匠。所属組織やクラスは謎に包まれている(実は未設定なだけとかいう話も)。

NPC3 「タマ」
 姉御肌の柴犬。夏彦の飼い犬だが、敬意を払われている様子は見受けられない。

NPC4 「エイム」
 ブロイズの執事。御主人様大好き。

NPC5 「十琶」
 マイヤのPC。古寺に住んでる箱入り狐っ娘。あにさま大好き。


 彼らは世界をこえてくる。其は、誰も望まぬ異界からの客人。


 引き裂かれた絆、犯した罪に流される涙。


 クエスターたちは、世間知らずの客人たちを追い返し、自分たちの日常を取り戻すことができるのか。



  アルシャードガイア 『はた迷惑な来訪者』


 蒼き星にまた奇跡が生まれる。




GM 時間短縮のため、今回はマスターシーンはナシでいきます!

 今回はシティアドベンチャーです。しょぼいマップつくってきました〜。

地図


 テーブル中央にB5用紙でつくられた、8×8に四角くマスが区切られたマップを広げる。

(画面上では、表の都合上。セルの幅がまちまちになっているが、実際は均等な大きさのマスである)



GM この町の中を歩き回って、探索していただきます。

 最初に、ルール説明をしておきます。

 アルシャードガイアでは「シャードの同調」というシステムがあります。クエスター同士は相手がシャードを持っていればそれを感じることができるし、シャードを通して声を届けられます。なので、スタート地点が全員ちがいますが、合流していただいてかまいません。ただ、タイムトライアルに似たところがあるので、バラバラに移動して、ちがう場所に行って情報を集めたほうが有利です。

 合流する場合は「そういえば、アイツに連絡とってみよ★」はなしでお願いします。ストーリーとして成り立つような、なにがしかの理由をつけて、連絡をとって下さい。




   オープニング――ショッピングモール   ギルティ


GM 午前9時。ギルティは、特売品を買いにショッピングモールをお買い物しています。


外野の隆之 (ギルティのキャラシートのイラストを指しながら)この格好で!?


GM この格好で! エコバック片手に! 奥様方に 「あらギルティさん、今日は卵が安いわよ」 とか言われながら!(笑)

 歩いていたギルティは 「ひったくりだ!」 という声を聞きます。見ると、若い女の人が道に倒れこんでおり、その人のものであろうバックをひっつかんで駆け抜けてゆく少年を見つけます。どうしますか?


ギルティ 追いかける。


GM 反射判定をお願いします……達成値7。ならば、捕まえました。 「離しやがれウスノロ野郎っ!」

 少年は、金髪にルビー色の目。民族衣装っぽい、微妙な服を着ています。ぎゃんぎゃん叫ばれているのですが、その罵り言葉が――ギルティは色んな言語に精通していると思いますが――何語とも言いがたく、どこの国籍か予想もつきません。

「あぁあもう! なんだよここ、移動手段が馬車じゃねえってどういうことだよなんだよあれ魔物か!? てゆーか建物高えんだよ、これじゃ城が見つかんねえじゃん帰れねえ!」

 もう、泣いてるんだか、キレてるんだかよくわからない状態です。


ギル な、なだめる。


GM なだめていると、ギルティは、この少年はオーヴァーランダーではないかと気づきます。きゃんきゃんわめいていますが、攻撃的な様子は不安の裏返し。子犬がかみついてきてるみたいな感じでお願いします。


ギル ああ……(納得)。


GM 「あのな、あのな、オレ、城に帰りてえんだけど、どこかわかる……?」


ギル 城……!? と、特徴は?


GM 「えと……でかい」


ギル でかい、だけでは……。


GM 「オレ、気づいたらこんなトコにいて、で、帰らなきゃって思って……つい」


ギル つい、ひったくり!?


GM 「金が入ってたら、帰れるかと思った。ココがどこなのかもわかるかと思って……っ」 と言いつつ、そっとバックを差し出してきます。


ギル まぁ……返しに行くだろうな(笑)。


GM 返しに行きました。 「オレ、どうしたらいいんだろ……あいつらに会いたいよ……」


ギル あいつら? 誰のことです?


GM 「ルディと、キザクとレスとサラさんと……みんなといたはずなのに、なんで、こんなトコにいるんだ? なぁ、アンタ、なんかわかんねえ? オレ、帰りてえよ……!」


ギル 帰りたいと言われても、手がかりが見つからん……マーリンのところでも行くか。


GM 少年にすがりつかれて、どーしよーもなかったギルティは、少年を保護してマーリンのところに連れて行くことにしました。

 ということで、ギルティにクエスト! 【少年をマーリンのところへ連れてゆく】

 ギルティはショッピングモールからスタートです。




   オープニング――夏彦ハウス   夏彦


GM 同時刻・午前9時。なにしてます? ちなみに休日です。


夏彦 あ、そうか、平日は学校か。9時だと、家の道場にいるかなぁ。


GM では、夏彦が朝早くから修行に励んでいると 「なっちゃん、助けてえええ!」 シャードから、颯太の悲痛な声が聞こえてきます。


夏彦 無視♪


GM ええええええ!?(一同笑)

「無視しないで! 返事してよー!」 叫びながら、通信がプツっと切れます。


夏彦 切れるんだ(笑)。 切れたら気になるなー……んー……。


GM では、迷う夏彦のもとに、なにかを感じ取り、庭から柴犬のタマがやってきました。

「アンタ……友達の危機に、なに悠長なことしてんだい! とっとと行きな……でないと、アタイの鉄拳が火を噴くよ?」


夏彦 犬なのに! ……じゃあ、庵に行く。タマ怖いから。


GM タマのにらみを背に、夏彦は、友人・守山颯太を助けに、マーリンの庵に向かいます。

 夏彦にクエスト! 【マーリンの庵に颯太を助けに行く】

 夏彦は、夏彦ハウスからスタートですね。




   オープニング――隆之の家   隆之


GM 午前9時、隆之は確定です。本を広げて読んでいます。


隆之 方向音痴をなおす方法の本とか読んでます(笑)。


GM 演出が難しいわ!


隆之 もしくは、料理の本とか。


GM じゃあ、方向音痴をなおす本と料理の本を同時進行で読んでいます!(笑)

 コーヒーが切れたことに気づいた隆之は席を外し、ダイニングにむかいます。コーヒーを淹れなおしていると、書斎の本棚が倒れ、バラバラバラ! と本がひらく音がします。


隆之 とるものもとりあえず駆けつけます。


GM 書斎の棚が倒れ、一冊の本が意味ありげにひらかれています。そして、その横に、男性が倒れています。


隆之 はぁ!? 「……なぜ美少女ではないのだ。ハッ、しまった、フラグが立ったらしいぞ」と言いながら、男の人を見に行きます。


GM 隆之、そんな人!?


隆之 悪ノリしました(笑)。


GM 隆之が近づいてゆくと、気がついたらしい男性が立ちあがります。

 ギルティのときと同じですね。どこか異国めいた服に、モノクルをつけて髪をきっちりと縛った……とにかくカッチリした印象の男の人。年は30過ぎくらいかな。


外野のブロイズ 片眼鏡……ときめく。


隆之 自分より年上だよな。とりあえず、丁重に 「あなたは?」 と聞く。


GM 「突然に申し訳ない。ここはどこだろうか」


隆之 場所を説明します。というか、あなたは誰なんですか。


GM 「これは失礼。わたくしはイリオ・リナリア国宰相、サモン・サラヴァネと申します」


隆之 ちょっと待って下さい、メモります。


GM 「お見受けしたところ、ここはわたくしの国ではないようです。わたくしは、元の世界への帰還を望みます。協力して頂けますか、異界の方よ」


隆之 えらい単刀直入ですね(笑)。


GM 疑ってたりなんやかやするとめんどくさいです(素)。


隆之 了解しました(笑)。この世界には、色んな不思議なことがあるので納得します。


GM え、そこは納得して下さい。サモナーなんだし。


隆之 そうか! では、自分が呼び出した可能性もあるということ?


GM ええ。ただ、普通に本を読んでいただけで、儀式を行ったとかはないです。


外野のブロイズ 本を同時進行で読んでいましたが(笑)。


隆之 とりあえず、落ちてる本が気になります。触ると危ないかも知れないし、上からのぞきます。


GM 上から見ると、挿絵の場面だとわかります。絵が広がっていて、中世ヨーロッパの雰囲気。その中で、サラヴァネが机に座って羽ペンで書き物をしています。

 その横で少年が書類を持って 「わかんねー!」 って感じのポーズをとっていて、イスには王冠を被ってふんぞりかえる王様。その後ろに従う、騎士のような格好をした40くらいの男。給仕をしているメイドがいます。


外野の夏彦 なぜ現れたのがメイドさんじゃないんだ!(笑)


隆之 5人の絵か。その見開きページに字は?


GM ありません。絵のみです。


隆之 その本は、ワタシが知ってる本?


GM 隆之は、本を蒐集している設定がありましたよね。では、なにかの参考に集めたかも知れないけれど見覚えはない。なんの確信もない状況、ということで。


隆之 了解。触っても問題なさそう? 自分の読める字で書いてあるかを確認したい。


GM 持ちあげて適当なページをひらいてみると、普通に日本語です。


隆之 サラヴァネに 「この絵はアナタの世界に関係がありますか?」 と確認します。


GM 「先ほどまで、わたくしは、この風景と同じことをしておりました」


隆之 ほう。でも、絵の中に本人がいるわけだよな? いなくなってるわけじゃない。なら、絵が変わってゆく可能性もあるのか……。

 わかりました、と言って本にしおりをはさみます。本を読むとかはできる?


GM えー……けっこう長い小説なのでー、


隆之 あ、小説なんだ。


GM ……言っちゃった★ はい、小説です。中身確認となると、次のフェイズになります。今は、冷静に現状を把握したサラヴァネから協力要請がきてますね。


隆之 では、 「コーヒーを飲みますか?」 と問いかけ……あ! 方向音痴をなおす本を知っているかを聞こう!


GM ぜんぜん関係ない話ですよね!?(笑)


隆之 ワタシにとっては切実! それを知っていたらここで放すわけには!


GM じゃあ、隆之にクエスト 【サラヴァネを元の世界に帰還させる】


隆之 はーい。あ、そういえば急ぐのかどうかを聞いておきたい。ゆっくりしてもいいなら、じっくりと調べる。


GM 「なぜ、わたくしがここにいるのかもわかりませんゆえ、なんとも申せませんが……ここに来る直前まで、共にいた方々のことが気にかかります。わたくしがここにいるということは、陛下たちもこの世界にいる可能性があるということではないでしょうか」


隆之 それは、早く見つけないとやばいな。わかりました。




   オープニング――ブロイズの屋敷   隆之


GM オープニングフェイズのラスト、ブロイズ! ブロイズは、隠れてなきゃいけない設定ですよね。場所はおうちでいいですか?


ブロイズ はい。


GM 同日、午前9時! ブロイズはなにをしてます?


ブロ 部屋で紅茶を飲んでます。


GM 優雅! では、ノックの音がして、執事のエイムが困惑顔でティーセットを持って入ってきます。ティーカップに、ソーサーに、ティーポットが揃っています。

「ダーク様。このティーセットは、ダーク様が購入なさった物ですか?」

 ……言ってしまうと、見覚えはありません。ありませんが、ブロイズには、そのティーセットがなにがしかの力がはたらいているものだということがわかります。


ブロ これ……どこで見つけました……?


GM 「それが……焼き菓子を入れる器を食器棚で選んでおりましたら、私が買った覚えのないコレが混入しておりまして……ダーク様なら御存知かと」


ブロ いいえ。持ってないですけど……それを放しなさい。そのままつかんでいると、何か悪いことが起きるかも知れません。


GM 「これは怪しげなものなのですか!?」

 エイムがあわてて机にティーセットを置くと、シャードから声が……って、この子、シャードが目の中か! どうしよう……仕方ない、目の中から声がします!


外野の隆之 気持ち悪っ!


GM 「ねぇねぇ、それ、届けてあげようよ、マスター!」


ブロ わぁ! もう、いきなり大声出さないで下さいよ!


GM 「え? あははー、ごめーん! でもさーでもさー、それ、異界からのモノでしょう? 届けてあげなきゃ、持ち主サン困ってるよぉ!」


ブロ そ、う、ですよね……怪しいけど……


GM 「そのティーセットに付着してる魔力の質はさ、このガイアのものじゃないよ! どーするどーする、マスター!」


ブロ そんなにはしゃがないで、落ち着かせて下さいっ。


GM 「はぁーい」


ブロ ええと、まず、このティーセットを、持ち主に届けることが先決……。


GM 「そーだよー! これを持ってきたってことは、これがないと帰れないもん!」


ブロ こんなことは、はじめてです……。


GM 戸惑うブロイズに、エイムが話しかけます。 「ダーク様? どうなさいました?」


ブロ あああっ!(そうだ、いたんだ!) いえっ、なんでもないです! 少しひとりにして下さい!


GM 「はい、わかりました……が、ダーク様。このティーセットが必要なのでしたら、傷つかないように、スーツケースかなにかにお入れしましょうか?」


ブロ あ……では、お願いします。ですが、くれぐれも、なくさないで下さい!


GM (ちっ、先手打たれた。エイムのミスで紛失するはずだったのに) 「はい、承知しておりますよ」 エイムは、ティーセットを包装するために部屋から退出します。

 すると、またシャードは話し始めます。 「持ち主サン、きっとまだ近くにいるよぉ? めちゃくちゃ離れたところに落ちるはずないものー」


ブロ でも、私、マヌケだから……割らないように、気をつけなきゃいけないな……。

 やはり、手で持ち運ぶことになってしまいますでしょう?


GM 「えー? じゃあ、エイムくんについてきてもらえばいいじゃーん」


ブロ いいんですか……?


GM ルール的には問題ないよ。

 ではそこに、エイムがスーツケースに入ったティーセットを持ってきます。 「ダーク様、これでよろしいですか?」 一式、きれいに揃ってて、布で包まれた上からベルトで固定されています。完璧装備な感じ。 「このティーセット、どう致しますか?」


ブロ 多分これは、他人の物だと思うので……お返ししに行ってきます。


GM 「ならば、私もお供致しましょう」 ついていくのが当然であるかのように、エイムから言い出しました。


ブロ もし、あいつらが来たら……よろしくお願いします。


GM 「この身を賭しても、お護り致します」

 というわけで、ブロイズにクエスト 【ティーセットを元の持ち主に返しに行く】




   ミドル01――午前9時


GM (マップを見ながら) ダイスをふって、その目だけ移動ができます。

 タテヨコにすすむ場合は普通ですが、ナナメにすすむ場合、1マスに必要なダイス目は1.5個。たとえば3が出たら、ナナメに2マスすすめます。山道(セルの色が変わっている場所)は、タテヨコナナメすべて、1マスすすむのに2個です。 ダイスをふっての移動がマイナーアクション、その後の行動がメジャーアクション、みたいな感じでお願いします。

 全員の行動が終了し、ラウンドが経過するごとに、30分が経過します。



シーンプレイヤー ギルティ


GM まずダイスをふって、すすんで。


ギル なにもないマスだけど。


GM この時点でできるのは、なにもしないか、少年と交流を深めるか……とかになります。


ギル 少年と交流を深める。


GM おけです! 同行者と話すのは、質問して、手がかりを引き出す情報パートになります。ので、なんでも聞いてくれればいいですよー。


ギル どこの世界から来た、とかはわかりますか。


GM 「リナリア国―!」


ギル (なんの参考にもならない答えに苦笑いしつつ)リナリア国、という国は、このブルースフィアには無かった気がするが……異世界から来たのですか?


GM 「いせかい? わかんねえけど、ここ、オレ、ぜんぜん知らねぇ」


ギル 返答しにくいな!(苦笑)


GM 「オレの世界は、神話がいっぱいある。魔術は、神話の中にしか無いものなんだけど、ここならあるのか?」 ……キラキラした目で、車などを見ながら問いかけてきます。


ギル 俺は、使えない、が……。


GM 「ああ、アンタはさぁ、傷とかいっぱいあって、歴戦の戦士って感じだよな!」 興味深そうにピアスなどを見ながら、少年はあっけらかんと笑います。


ギル ま、まぁな……。


GM このラウンドでわかったことは『コイツに聞いてもどーしよーもねえよ』ってことと、『やはり、この世界の住人ではないらしい』というあたり。

 あと、個人的にやりたいことがあるんですが、いいですか。


ギル ん?


GM 「なぁ、アンタ、名前、なんていうんだ?」


ギル ギルティです。


GM 「よろしく、ギルティさん。俺な、シャイレードっていうんだ。シャイでも、シャレでも、なんとでも呼んで!」 にこぉっ。


ギル シャイレード……。



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 マーリンってシャード持ってるっけ?


GM マーリンは……持ってますね。多分クエスターだろ、あの人。


夏彦 じゃあ、マーリンにシャードで連絡する。


GM 「おー、どーした夏彦―」 ……のほほーんとしたマーリンの声が聞こえてきます。


夏彦 颯太から、SOSがあったんだけど、なんかあったのか?


GM 「おお。肌すべすべの美少年が来ておるぞぉ」


外野の隆之 なにそれ!?


GM 「これが俗に言う高飛車属性とかいうやつかのー。ルイズかのー」


夏彦 (素で)…………わからん(一同笑)。 と、とりあえず、颯太は無事……なんだな?


GM 「なんか無理難題言われとるがの」


夏彦 無理難題……? 誰かに言われてるってこと……?


GM と、そこで、後ろから……あ。


 クエスター同士の特性である「シャードで連絡」だと、仕掛けが発動しないことに、今更気づいたGM。

 あからさまな「どうしよう顔」に、夏彦もまた、気づきます。


夏彦 もしかして、携帯だったら、後ろの声が聞こえてきたり……。


GM (こくり)


夏彦 でも、マーリン、携帯は持ってないだろうなぁ(笑)。


GM マーリンの庵にはありますよ、黒電話!


夏彦 そうか、固定電話か。


GM 「とりあえず、言えることは『客人が来とる』ということじゃな。招かれざる客人というやつじゃ」


夏彦 ……ぶっちゃけ、客人が来てるだけなら、帰る。


GM もいっかい颯太からSOSきますよ! 「裏切りものー!」ってきますよ!(必死)


夏彦 (ためいき)とりあえず颯太を見に行くか……。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 気になることとして。サラヴァネさんは常識的な感じがしますが、他に、この世界に来て大変なことになりそうな人はいますか。


GM サラヴァネに情報収集ですね。目をそらしながら答えてくれます。 「陛下は、まだ戴冠なさって1年と少ししか経ってはおりませぬゆえ、まだ子どもっぽさが抜けておられないと申しますか……有体に言うと、ワガママ王子と申しますか……っ!」


隆之 それは深刻な気がします(笑)。


GM 「ルディエーエル・グロウ・リナリア陛下がこちらです」 本の、さっきの挿絵のページをパッとひらいて、王冠をかぶって、ふんぞりかえってる少年を指します。


隆之 それは……けっこう、やばいぞ……?

 今の時点では、どこに飛ばされてるかの判断はつきませんね?


GM つかないし、他PCが関わってることもわかってない状態ですね。


隆之 なら、ギルティにシャードで呼びかけてみて、こっちの現状説明をします。


GM ギルティ、別に無視してもいいし聞いてもいいよ(笑)。


ギル とりあえず聞く(笑)。

 (説明を聞いて)……俺のところにも、飛んできたんですが……少年が。


隆之 それはもしかして王様? 名前を聞く。


ギル シャイレードです。


隆之 では、サラヴァネさんに、シャイレードという子どもが知り合いのところに来ているらしいのだが、王様かと聞きます。


GM 「あの子が来ているのですか!?」 すごい食いつきようです。本の挿絵ページをひらき、ペンダントをつけてるほうの子を指します。


隆之 近かったけどちがいますね。


GM だーいぶ近いけどちがいますね。ついで、その子は王様と同じ顔をしています。


隆之 はぁ!?


GM 同じ顔、同じ髪型、同じ瞳。言うなれば瓜二つです。


隆之 ほう。で、性格は違うの? ワガママは一緒? あ、目をそらした(笑)。


GM 「わっ、ワガママというか、あの子は下町の出ゆえ常識がないだけで……!」


隆之 ここらへんに出てきて困ることには変わらないんですね。


GM 変わりませんね。オープニングフェイズで、既にひったくりをしてましたし。


隆之 あー……。では、ギルティにシャイレードと同じか、それよりもヒドイかもしれない子どもが飛ばされてきている可能性があると伝えます。


ギル なにが!? なにがヒドイんだ!?(笑)


GM この場合、ギルティがシャイレードになにかを伝えてもかまわないよ。

 「ていうかギルティさん、誰としゃべってんの?」 って聞かれますし。


ギル 説明が難しいな……テレパシーです。


GM 「ギルティさん、すっげー!」 納得しました(笑)。


隆之 では、他のところにも飛ばされてる可能性があるということだよなぁ……クエスターの知り合いに軒並み連絡したほうがいいのかも知れんな。


GM では、一人目に状況説明が終わったということで。ギルティの状況もあらかた聞いたことでいいですか?


隆之 はい。



シーンプレイヤー ブロイズ


ブロ さて……どうしよう。


GM 「僕さー、このティーセットがヘンなものだってことはわかるけど、この魔力の跡を辿っていったりとかはできないし。他の人に手伝ってもらったりとか、訪ねていって聞いてみるのもテだと思うよー?」 シャードからのアドバイス(笑)。


ブロ んー……東に行くと、学校に着くし……そうなると目立つしなぁ……。


GM 休日なので、自主練してる部活の生徒がいるくらいですよ。


ブロ 適当に歩いてみましょう。


GM 了解。情報収集しますか? 現在探しているのはティーセットの持ち主なので、意思で8以上です。


ブロ 11。そこに通りかかってた猫に聞きます。 「あの……すいません……」


GM 「なんだにゃ」


ブロ にゃ!?


GM 語尾に 「にゃ」 つけてたら猫だと思ってますがなにか?


ブロ え、ええと……このティーセットに、なにか感じませんか……?


GM 「猫になに聞いてんだにゃ」


外野の隆之 判定成功してるのに、なんという!(笑)


GM 「でも、それと同じバラの模様のついたものを持ってる女、さっき見かけたにゃ」


ブロ ほぇっ?


GM 「地図上でいう南のほうで見かけたにゃ」


ブロ 南……。


GM 「なんか探してるんだにゃ? がんばるにゃー」 猫にしっぽふりふりされます。


ブロ はい、いってきます。




   ミドル02――午前9時30分


シーンプレイヤー ギルティ


GM 一周しましたので、30分経過。現在、午前9時30分です。


ギル 4……あれ、もしかして夏彦を通りすぎる?


GM 通りすぎますね。誰かが止まっているマスを通過する場合は、素通りしても立ち止まっても可です。ただ、立ち止まると、そこで話して時間が経過します。


ギル 素通りで。


GM マジか!


ギル 今かかえてる子で精一杯なんだ!


GM 了解(笑)。まだマーリンの庵には着きませんが、どうします?


ギル マーリンに携帯で連絡を。


GM ということは、マーリンのおうちの黒電話がリンリンリンリン鳴るわけですね!

 「はい、こちらマーリンの庵です」 マーリンの家の居候・秀一が出ました。


ギル 秀一? マーリンはいますか?


GM 「ギルティさん? おはようございます。お師匠は、今……撮影中です」


ギル 撮影? なんの撮影です?


GM 「今朝、僕が育ててる菜園の上に、ひとが気絶してたんだ。せっかく育ててる苺が台無しになったよ!(泣) で、介抱して、気がついたのはいいんだけど……なんていうんだろう、王様みたいな人で」


ギル 王様みたいな人!?(笑)


GM 「颯太くんが色々聞き出そうとしてるんだけど、ちょっと難しいみたい。……その人、すごく綺麗な人でさ、だからってもうマーリンさんがぁあああ!」 秀一君は半泣きになっています。


ギル そっちにも人がいるのですか。こっちにもいますよ。何時頃に現れた?


GM 「僕が見つけたのが9時くらいだよ」


ギル 俺のところにいるのも、そのくらいに会いました。同じ世界の奴かもな。名前は?


GM 「えっとねぇ……陛下」


ギル 陛下!?


GM 「ちょっと待ってね、聞いてくる!」 秀一君がぱたぱた駆けて行く音と共に 「だからぁ! こたつはイスじゃなくてぇ!」 と騒いでいる颯太の声が聞こえます。

 「ルディエールさんっていうみたい。ルディエール・グロウ・リナリア」


ギル シャイ君に聞いてみよう。シャイ君、知っているか?


GM 「ルディが来てるのっ? 今どこにいるの、無事なの、アイツはオレがいないとっ!」


ギル さ、撮影が云々かんぬん……。


GM 「オレの王様になにしてるのー!? ルディ大丈夫なんだよな、ていうかソレなに、ギルティさんなにしてるの!?」

 知り合いの情報が入って嬉しいやら、携帯に興味示すやらでしっちゃかめっちゃか。


外野の隆之 ギルティの疲労がどんどんたまっていく(笑)。


ギル もうすぐマーリンの庵だから! 落ち着け!


GM 「もうすぐ、ルディにあえる?」


ギル ああ。


GM 「……良かった(にこぉっ)」


ギル 良かった、落ち着いた(笑)。


GM で、放り出されている秀一君がいるわけですが。 「えと、僕、どうすれば?」


ギル 悪い、気づいてませんでした。情報は入ったから。また何かあったら連絡します。


GM 「はーい。お待ちしておりまーす♪」 と、いうわけで。マーリンのところにもう一人いることが判明しました。シャイレードはスキップなんぞ始めております。


ギル (苦笑)。



シーンプレイヤー 夏彦


GM はい、素通りされた夏彦のラウンドです。


夏彦 素通りしかえしてやる! ああ、2しか出ない、追いつかない!


GM 夏彦はどうします? 現在できることとしては、もう一回、颯太かマーリンにコンタクトをとる、他の人に連絡する。


夏彦 颯太が困ってるってだけで、呼び出すのもなぁ。颯太に連絡します。


GM 颯太は携帯を持っていませんから、シャードに呼びかけることになりますが。


夏彦 携帯を耳に当てつつ、シャードで連絡をとります。


GM 意味ねー!(笑)


外野の隆之 いやいや、重要な意味があるよ! まわりの人に不審がられないという!


GM 颯太は、速攻で反応します。 「なっちゃんんん! 早く来てって言ったじゃんー!」


夏彦 がんばってる! 2しか出ないんだ!(笑)


GM 「そんなメタ会話しない!(笑)

 ちゃんと向かってくれてる? 無視って、門下生さんと乱取りとかしてない?」


夏彦 してないしてない……でも、よく考えると、サボって出てきたことになるのか?


GM 「こっち、ほんとに大変なんだって〜。なんなのこいつ、ああそうか王様か〜」


夏彦 大丈夫、次も2が出れば着くから!


GM ……これ、切っていいの? もういいの? 何も聞いてませんよ?(笑)


夏彦 いや、でも困ってるとしか聞いてないしなぁ……いいや、切っちゃおう。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 よく考えたら、ギルティのところにサラヴァネさんをつれていくという手もアリだよな。そういう方法もありますが、とサラヴァネさんに聞いてみよう。


GM 「あの子をひとり放っておくのは危険ですっ!」 そう言いつつ、心配なだけぽい。


隆之 じゃあ、つれていきたいが、いかんせんワタシは方向音痴なのです(笑)。


GM 使い魔の猫がいるし、サラヴァネが方角わかる人ですよ。ただ、ギルティに連絡をとって、現在地を聞いて移動ですよね。連絡をとるだけで1ラウンドすぎます。


隆之 あー……しかし、合流させるのが最優先だと思うので。連絡します。


GM ギルティだと、シャードと携帯を選べますが?


隆之 そうか、携帯だと後ろの声が聞こえたりするのか。では、携帯で。


ギル なんです、隆之。


隆之 こっちに来てる常識的な人がそっちに行きたいと言っているので、そちらの現在地を教えて欲しいのですが。


ギル マーリンの庵の前です。


隆之 では、こちらの人を連れてマーリンの庵に向かいますので、あとでよろしくお願いします。がちゃ。


GM 終了した! 早っ! え、えと、ラウンドも終了していいですか? もう少し調べたりします? 連絡が思いのほか早く済みましたし。


隆之 とりあえず猫を呼び出して指示を出します。サラヴァネさんに話を聞くなら、歩きながら聞きますよ。



シーンプレイヤー ブロイズ


GM 情報は南。南で女です。


ブロ どこに行こう……夏彦ハウスがあるけど、でも夏彦君いないし。


GM ブロイズは夏彦と連絡をとっていないので、不在だということは知りませんよ。


ブロ じゃあ、夏彦君の家に行きます。


GM 夏彦ハウスのマスにとまると、道場破りをしている男を発見します。


ブロ えええ!?


GM 「我こそはと思う騎士は、かかってくるがよい!!」


ブロ え、え、え、あのっ、お、お取り込み中、失礼します!


外野の隆之 入った!?


ブロ ど、どうしましょう、すごく挑まれてる感がありますっ。しかし、無駄に時間をつぶしたくはない!


GM 「ダーク様、どう致しましょう」 エイムはティーセットを守りつつ、引き気味です。


外野の隆之 無視でいいんじゃ? 何ができるというわけでもなさそう……。


GM 無視でもいいし、挑んでもいいですよ。


ブロ 挑む!?


GM だって、友達の家に行ったら道場破りが来てて、なおかつ友達はいない。放っておいたら、友達が困りますもの。ついでに言うと、道場破りしてるオッサンは、全身に甲冑を着こんで、槍を持っています。見た目からして相当アレです。


外野の隆之 通報レベルだよ!


ブロ なんなんだ、この頭のアレな騎士はっ(笑)。


GM 今、門下生がどんどん挑んでます。 「夏彦ぼっちゃんが帰ってくるまで耐えるんだ!」 とか言いながら。


外野の夏彦 ウチの道場、柔道だから素手だぞ……。


外野の隆之 道場の門下生は、夏彦に連絡はしてないの?


GM してないです。連絡する暇もないというか、あまりにあまりな状況に連絡という手段を思いついてない。


ブロ でも、連絡に時間を使いそう……。


GM 立ち止まった以上、このラウンドはもう移動できないから、連絡とるのもアリだねー。


外野の隆之 あるいは 「このティーセットが目に入らぬかー!」 って見せてみては?


ブロ 彼を落ち着かせるために、相手をするフリだけはしてやる。


GM 了解。ブロイズが向かっていった瞬間、騎士はピタリと止まります。 「女子どもを相手にする趣味はない!」 堂々と騎士道精神を発揮します。


ブロ ……あはははは、女の子に間違えられるのもこれで何回目だ……? それに、たとえ女子であったとしても、あなたのような道場破りを放っておくわけにはいきません。


GM 「なんと、女子でありながらも騎士の心を持った武人であったとは……!」 心意気を見せていただいたので、ミニバトル突入もできますが。どうします?


ブロ あなたがもし、私に挑戦するというのなら。私は全力でお相手します


外野の夏彦 門下生は 「お穣ちゃん、やめときなって!」 となっている(笑)。


ブロ 門下生に向かって、女と言うなというような目でジロリ。


GM では、ミニバトル〜。ブロイズ、命中判定どうぞ。


ブロ 蹴りでいきます! 達成値13!


GM 回避の達成値16! 避けました! 「貴様はまだ若い。出直してくるがよい!」




   ミドル03――午前10時


シーンプレイヤー ギルティ


ギル 着いた。庵に入る。


GM ギルティが玄関口に入ると、颯太が駆けてきます。 「なっちゃああん! って、ちがう、ギルティ君じゃん!(驚)」


ギル この子の世話を頼みたいんだが。


GM 「え……子ども? 駄目だよギルティくん、自分の子は自分で面倒みないと」


ギル い、いや、この子の現れた原因をだな……。


 ひょこり、とギルティの後ろから顔を出すシャイレード。 「陛下?」 と驚いた颯太の言葉に反応し、シャイレードは 「ルディがいるの!?」 と庵に侵入してしまう。 「土足!」 と颯太もシャイレードの後を追ってゆく。


ギル お邪魔します、と言いながら後を追う。


GM でしたら、居間に辿りつきます。

 居間には、こたつ机がおいてあります。その上にふんぞり返っている、きらびやかな衣装にマントを羽織った……金の髪はきらめき、ルビー色の瞳は傲岸不遜に他人を見下し、唇には冷笑を浮かべ、腕と足を組んで座っている、一言で言うと王族な人がいます。

 その人に向かって、シャイレードが 「ルディーっ!」 と飛びついてゆきます。


ギル やはり、知り合いか。


 名前を連呼しながらひしっと抱きつくシャイレードを 「鬱陶しい!」 とはねつけながら、王族と思しき少年はシャイレードに怒鳴りつける。

「私のそばを離れるとは、どういう了見だ!」

 よくよく見ると、その二人はまったく同じ顔をしている。


ギル 双子だったのか。


GM ギルティの横では、颯太が 「良かった、陛下の面倒見てくれる人ができたっぽい」 と胸をなでおろしています。 「ギルティくん、この子、どうしたの?」


ギル ひったくり犯だったんです……。異世界から来たらしい。色々とマーリンに聞こうかと思ったんですが。


GM 「あの馬鹿爺は、陛下を使って撮影会を行って、その現像をしてるよ。自分専用の暗室があって、そこにこもってるから、手が出せないんだ。

 ええと、話を聞いたら、この人たちはクエスターじゃないし、自分の意思で世界を飛びこえたわけでもないらしい。どうにかしないと、ってこっちも秀一君と言ってたんだ」


ギル ふむ……。


GM 「この子たちを在るべき世界に帰してあげないと、この世界にも影響があるんだ。でも、どうしたらいいか……」 要するに、異分子が入りこんでる状態だと考えてください。


ギル とりあえず、隆之に電話をして、本を持ってきてもらいましょうか。


隆之 本を持っていくことは考えていませんでした。了解。


GM では、隆之に連絡をとって、待機ですね。



シーンプレイヤー 夏彦


GM 夏彦はそろそろ着いて下さい(笑)。


夏彦 ここで1が出ると面白いんだよなぁ……ほら、出た!(喜)


GM 夏彦―!?(一同笑)


夏彦 颯太に連絡。


GM 「なっちゃんなっちゃん、おーそーいー! ギルティくんが来てくれちゃったよ!」


夏彦 ワタシ ナッチャン イマ アナタノ イエノマエニイルノ。


GM 「じゃあ来てよ!(笑) リアルな話をすると、ギルティくんが連れてきてくれた子のおかげで馬鹿陛下のお守りから解放されたから、余裕がある、んだけど…………」


夏彦 ?


GM 「説明したら、なっちゃん、帰るよね……?」


夏彦 帰るような内容なのか? というか、説明されなくても帰る。


GM 「帰らないでー! 異世界から本人の意思じゃなくブルースフィアに来ちゃった人達がいて、どうにかしてその子たちを元の世界に返してあげないと駄目なんだって!」


夏彦 ええー……めんどくさそー……。


GM 「絶対言うと思ったー!(泣)」


夏彦 まぁ……あと一歩だから行くよ。


GM 「さすがなっちゃん! それでこそオイラの友達だよ!」 なんだかんだで説明はおおまかに聞いた感じで。次のフェイズで楽になりますよ。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 では、本を持って向かいます……着きました。


夏彦 また追い抜かされた(笑)。


隆之 サラヴァネサンと話しながらスタスタ歩いてて、気づかなかったのです。


GM 庵に入ると、先程と同じく色んな人がいますね。サラヴァネは声を聞きつけて 「陛下! シャイレード!」 と叫びながら駆け寄っていこうとします。


隆之 とりあえず靴を脱いで下さい。


GM 「これは失礼を!」 室内で靴を脱ぐことを不審がりながらも、納得してくれます。


隆之 常識的な人でよかった(笑)。彼らは好きにさせておこう。その場にいるギルティさんに声をかける。 ギルティサン。このたびは大変だったそうで(笑)。


ギル まぁな(笑)。


隆之 とりあえずお茶を頂きたいです。


GM では、秀一が運んできましょう。 「この85度で淹れた玉露なら、陛下の口にも合うはずっ!」


隆之 秀一クン、なにをしてるの!?


GM 紅茶は全滅したので、日本茶に賭けているのです。


隆之 時間があるなら、本の説明をギルティ達にしたいのだが。


GM 了解。では、残り時間は説明に費やしたということで。



シーンプレイヤー ブロイズ


GM ブロイズはどうします? もう一度、戦うこともできますが。


ブロ んー……3回やって駄目だったら諦める。今度は、手加減してステッキの柄を使おう! 見た目、バトンぽい感じ! よし、高い目が出た! 17!


GM 17は避けられない気が……うわ。こっちも17! リアクション優先なので、回避します! 「やるな、娘……!」


ブロ おめでとうございます(にっこり)。


GM 判定を外してしまったので、戦闘自体は終了します。ただ、移動をしていないので、もうひとつ、行動できますよ。


ブロ あなた、どうして道場破りなんかしようと思ったんですか。この世間知らず。


GM 怒られた!


ブロ まぁ、私はあえて相手をしてあげていますけどね。


外野の隆之 えらそうだ! 本領発揮しはじめた!?


GM 「強き武人あらば、それに挑むが騎士というもの……!」 暑苦しく語られます。


外野の夏彦 強かったんだ、ウチの門下生。


GM 説明しとくと。こちらの世界に落ちてきて、ふらついてたら夏彦の道場を発見。鍛錬をしているように見えたので近寄ると、「なんかおかしなヤツ来たー!?」と警戒されてしまい、なしくずしに道場破りみたいな感じになっただけだったりします。

 騎士さん本人が、ゴチャゴチャ考えるより体を動かしていたほうが安心する、という理由もありますが。脳味噌筋肉なので。


ブロ それにしても、なかなかの腕前でございますね?


GM 「そなたもだ! この異国に来て、そなたのような武人に出会えるとは!」


ブロ まぁ、私も元々、異国育ちですし。ひとつ、お聞きしてもよろしいですか?

 ……と言ったあと、エイムに声をかけます。ティーセットを。


GM ティーセットを騎士に見せると、反応があります。 「そなた、これをどこで手に入れた!? これは、我が友フェイスレス……レスの持ち物ではないか!」


外野の隆之 顔なし?


GM それを狙って命名してます。


ブロ 確かに、そのお友達のものですか?


GM 「この薔薇の模様に間違いない。何を隠そう、これはワシがあの子に贈ったものなのだから! あの子は、あの子はおらんのか!?」 騎士は焦りつつ聞きます。皆とはぐれている自らの状況をやっと理解したっぽい。


ブロ ……では、よければ、一緒に行きませんか?


GM 「あの子を、探しておるのか?」


ブロ はい! 子猫に聞いてみたら、南のほうでレスさんらしき人をみかけたと……。


GM 「なんと、そなた面妖な術を使うのだな……! よし、そなたに同行しよう。彼女のことが心配だ」


 ブロイズ、王室騎士団長・キザクを保護。




   ミドル04――午前10時30分


シーンプレイヤー ギルティ


 隆之と合流して本の話を聞いた結果、騎士とメイドをまだ回収していないのではないかと推測するギルティ。本は隆之が調べることにして、ギルティは行方不明の二人のことを、他の知り合いクエスターに聞いてみることに。


ギル ブロイズにシャードで連絡。騎士とメイドを知りませんか(直球)。


ブロ 騎士様はみつけました。私の隠れ家からティーセットがみつかりまして、その持ち主がメイドさんだそうです。探しておられる方のお名前は?


ギル フェイスレス。


ブロ レス様……やはり。 了解しました。メイドさんをみつけましたら、至急、そちらに連絡致します。



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 一応、ダイス振ってみよう。


GM 夏彦、あと1マスですよ?


夏彦 ほら、6とか出た! これを期待したんだ!(喜)

 では、扉をガチャッと開けて 「俺、参上!」


GM 「なっちゃん、守備範囲広すぎるよー!」 遠くからツッコミつつ、颯太が出迎えてくれます。


夏彦 最近、見始めたんだよ(笑)。


GM 「やっと来た来た、待ってたよ。紹介しとくね。王様とー、その友達らしき子とー、宰相さーん!」


夏彦 訳がわからん。


隆之 何もなければ、説明していいですか。


GM 了解です。隆之さんは何度も状況を説明してますし、簡潔に説明できたことにしましょう。あとひとつ、何かしますか?


夏彦 ウチの道場のことを説明してもらうことはできる?


GM ギルティとブロイズの通信で、庵組の耳に入ってることにしてもかまいませんよ。


隆之 とりあえず、マーリンを殴ってつれてくるべきなのでは。


夏彦 マーリーン! 新しい美少年が来てるぞー!


GM 「なんじゃとー!?」 スパァン! 暗室の扉がひらき、マーリンが姿を現しました。


隆之 駄目だ、この爺……。


GM 「な、なんと、美少年が二人に、ちょっと年上の美青年じゃと……!」


夏彦 この二人の写真が欲しければ、こいつらを帰す方法を教えろ。


GM では、判定を【幸運】でどうぞ! 6以上で情報ゲットです。……成功ですね。

 何が原因で来たのかがわからないということは、術者がわからない。帰還させるには、来たときの状況をつくらなければならない。くわしく言うと、来たときに持っていたものを持たなければならない。状況を再現できたら、術者が術式を行えます。


夏彦 元の状態っていうのは、絵の状態かな。


隆之 絵といえば、絵は変化してないの?


GM してないです。元の状態がわからなくなりますし、絵は変化しないです。正直、オープニングで隆之に言われてはじめて「絵から抜け出したのに、元絵がそのまま残ってるのっておかしいよなぁ」と気づきました。そこらへんには触れないで(笑)。


夏彦 了解(笑)。 術者探し。課題が出てきたな。


ギル メイドの保護もしないと。


夏彦 え、でも、騎士と恋人同士っぽいし。邪魔するのも……。


隆之 え、そうなの?


夏彦 ティーセット贈った、とか言ってませんでした?


隆之 思いこみ強そうだったよな、あの男……。


外野のブロイズ 酷い!(笑) そこはもっと華やかにいきましょうよ!



シーンプレイヤー 隆之


隆之 絵の中に、術者に関する情報はないかなと思ったんだが。


GM 本を調べるのは、理知判定9です。


隆之 ていっ。うわ、能力ボーナス6あるのにギリギリ成功だ!


GM 絵の中に、術者に関する情報はないです。3人からの情報として、リナリア国では魔法というものは夢物語……神話の中のもの。人間に使える力ではないという認識です。魔術が発達してないので、彼らの世界で誰かが術式を行ったとは考えがたい。


隆之 ほうほう。では、本の内容は?


GM 日本人が書いた児童文学です。下町のスリだったシャイレードが、王様と瓜二つだったことで王様の影武者にさせられる、という話。挿絵は、王様と和解し、王宮の一員として暮らしているシャイレードの姿を描いたものだったようです。


隆之 キャラクターの人物像は、今ここにいるサラヴァネさん達と同じもの?


GM まったくその通りです。


隆之 騎士とメイドがイイ仲かどうかは。


GM そのへんになると、シャイレードがわっくわくしながら首をつっこんできます。 「休日には、キザクのオッサンがレスを遠駆けに誘ったりしてるんだぜー!」


隆之 それは断られてる?


GM いいえ? メイド服は味気ないからエプロンだけでも外して出かけてるとか。なにかもらったら 「なにを返せばよいでしょう」 とシャイレードに相談したりとか。


隆之 チッ。


GM 舌打ちすんな(笑)。


外野のブロイズ そ、そうなると私が危ないな。


隆之 あ、ブロイズクンは女の子に見えるのか。


外野のブロイズ 浮気だと勘違いされるんじゃ……。


隆之 すげぇ……深読みしすぎ。


GM 想定してなかったぞ☆


隆之 脱線した(笑)。ということは、この世界に術者がいるということだよな。


GM 本の登場人物であることはもう確定したので。本の世界に帰してあげればいいので、本を操る能力を有していれば、誰でも術式は行えますよ。


隆之 もしかして、ワタシがその能力持ってたり……ないか。


外野のブロイズ もしくは、理知判定で術式が成功するか否か、とか。


GM ああああ、いえ、あの、そこは 「俺のシャードは本についてるからイケる!」 と断言してほしいです……。


隆之 え、実際そうなんだ(笑)。 ただ、誰が送ったかを解明せずに帰還させていいのか。


夏彦 次の日に、また来てたら嫌だなぁ。


隆之 ワタシは、術の行い方もすべてわかっているという理解でいいの?


GM サモナー……召喚師なので、返還もできます。


隆之 了解です。



シーンプレイヤー ブロイズ


ブロ あえて、何もないところでとまってみる!


GM 誰に情報収集します?


ブロ キザクさんに。


GM 意思を7以上でお願いします……達成ですね。


ブロ メイドさんは、持ち物以外で特徴的なものは? たとえば髪型とか。


GM 「髪型は、いつもひとつにまとめて、邪魔にならんように団子にしておるな」


ブロ 髪の色は?


GM 「雪景色にも似た、白銀だ」


ブロ 目の色。


GM 「緑だ。エメラルドといえばいいのか……(照)」


外野の隆之 この人の言うこと、信用ならんぞ!?


ブロ 服は、外に出るときはメイド服から着替えるんだよな……。


外野の隆之 いや、他の人は挿絵そのままの服なのでは?


GM そのまま出てきたんですから、そのままの服ですよー。

 あ、現在、キザクは鎧を脱いでいることにしましょうか。鎧はエイムに布に包んでもらって、槍は袋に入れて竹刀っぽく見えるということで。 「このパーティメンツありえなくね?」 みたいな不協和音を放ちつつも警察は呼ばれないレベル!


ブロ レスさんは、おいくつですか?


GM 「20過ぎくらいだと以前聞いたことがある」


ブロ 銀髪緑瞳の、20歳くらいの女性……んー……。


外野の隆之 レスが行きそうな場所を聞いてみては?


ブロ そっか!

 あなたはティーカップを贈ったと言っておられましたが、彼女は食器がお好きで?


GM 「好きなものを聞いたことはないが……陛下やシャイレード、ワシに紅茶を淹れるときだけは、あの子の表情が和らぐ気がして、ついついそのようなものばかりを贈っておる」


ブロ となると、ティーカップを売ってる店を探すのか。




   ミドル05――午前11時


シーンプレイヤー ギルティ


ギル バーに行って情報収集しようか。それとも、図書館か? 本にまつわる事件だし。


隆之 図書館ならワタシが行きますよ。


ギル ならば、バーに向かいます。途中の道で、メイド服の女性を見かけなかったか聞く。


GM 意思で7、お願いします。


ギル 出た。どう聞くべきか……。


外野の隆之 銀髪の女性を見かけなかったか、じゃないの?


外野のブロイズ それだと私と勘違いされる可能性が……。


GM 情報を組み合わせて聞いて下さい。聞き方によって、答えが変わりますから♪

 問題は、第4ラウンドでブロイズが得た情報をギルティは知らないこと。


ギル そうか。問い合わせないと探せない。


外野の夏彦 本の挿絵は、白黒?


GM あ、気づかれた。本の挿絵はカラーなので、服の色など、ぜんぶ判明しています。


外野の隆之 えっ? あ、そうなのか。なんとなく、抽象画っぽいイメージだった。


ギル 挿絵の情報をすべて話して聞く。


GM 「あれをメイドというのかはわからないけど。黒いワンピースを着た女性が、ショッピングモールで、食器がディスプレイされているショウウィンドウにはりついていたよ」


ギル ショッピングモールに急がねば!


GM ただ、ヘッドドレスやエプロンはしていませんでした。黒いワンピースの女性です。


外野の夏彦 なくした……?


外野のブロイズ でも、さっき、シャイ君が、お出かけするときはエプロンを外すって言ってましたよね? 自主的に外してる可能性も高い。


外野の隆之 しかし、絵の中に戻るときは、すべて身に着けていないといけないんだよな。あまり良くない情報だぞ。



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 どーうーしーよーうーかーなー……来たばっかだけど、帰るね☆


GM 帰るの!? ほんとに帰っちゃうの!?(笑)


夏彦 帰るっていうか、外に行く。3かー……学校に行けるな。


外野の隆之 何か落ちてる可能性があるから、調べてくれるとありがたい。


GM どう探します? 30分かけて校舎の半分を見落としのないように探すのもいいですし、全域をざっくり調べてもいいですし。


夏彦 絵の中のものが落ちてないか、ざっと探す。


 学校内を手早く回る。

 走りこみをする陸上部を横目に見つつ校庭に出た夏彦の目に、王冠を頭に戴いた二宮金次郎像が映りこんだ。


夏彦 王様、王冠がなかったのか!


GM なかったのです。ギルティさんに、金の髪が云々と描写してるとき、ローブには触れましたが、王冠は描写しませんでした。


夏彦 王冠……かぶろうか。


GM かぶるのか!(笑) ただ、王冠は自主練してる生徒たちの注目の的です。可及的速やかに回収しなければなりません。というわけで、なんでって聞かれたら困るんですが、体力判定で8、どうぞ!


夏彦 16!


GM でしたら、なんの問題もありません。先生に怒られることもなく、二宮金次郎像によじのぼり、王冠を奪い、隠すことが可能でした。


 夏彦、王冠ゲット。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 3人になくしたものをチェックしてもらいます。


GM 王様は、王冠がないです。サラヴァネさんは、羽ペンでものを書いていましたが、羽ペンがないです。シャイレードは調べるまでもなく、王様が 「貴様、私がくれてやったペンダントをなくすとはどういうつもりだ!」 とキレはじめます。


隆之 シャードで連絡します。全員に一斉連絡はできますか?


GM 全員、応答せよ! とか言ったらイケることにしましょう。


隆之 では、そのように。メイドと騎士が何かをなくしている可能性があるが、ソレが何かは不明、と。王冠がみつかったことも聞いた。共通理解できたということで。



シーンプレイヤー ブロイズ


ブロ ショッピングモールの入り口には到達しました!


GM ざっと見回したところ、フェイスレスの姿は見えません。どうしますか?


ブロ 道行く人に聞いてみる。


GM 意思判定どうぞー……余裕ですね。何を聞きますか?


ブロ 緑がかった目をした、銀髪の女性をみかけませんでしたか?


GM その女性なら、ショッピングモールの奥のほうに歩いてゆくのを見た人がいます。 「あの子、変わった服装してるねぇ」


ブロ 服装? どんな?


GM 黒いワンピースですが、クラシカルなものなのです。カッティングも今時のものではないので、見ると印象に残ります。


ブロ なるほど。その方、何かにひきつけられるような感じとか……。


GM そんな変な印象はなかったです。落ち着いてるんだけど、色んなものを見るのが楽しくて仕方がないようすが見てとれたくらい。


ブロ あちこちうろついている可能性があるのか。わかりました。全員にその情報を。




   ミドル06――午前11時30分


シーンプレイヤー ギルティ


ギル バーに着いた。何か落ちてないかをチェック。


GM 変わったところはありませんね。見慣れたバーです。


外野の夏彦 ここはルイーダの酒場よ。だれでも仲間にすることができるわ。


GM 言われません!(笑)


ギル ペンダントと羽ペンの情報がないか聞く。


GM どちらを聞きますか。


ギル ペンダントで。


GM 反射で7、よろしくお願いします。


ギル 15!


GM ならば 「柴犬がくわえて、どこかに持っていった」 と……


ギル&隆之&ブロ (GMの言葉をさえぎって)夏彦ぉ――!!


外野の夏彦 あれえー?


ギル 夏彦。こら夏彦。


GM タマだって、女の子ダモン☆


ギル ペンダントは、タマがくわえていったようです、と連絡。


夏彦 おれが帰って、タマが帰ってきてくれるだろうか……道場の後片付けもあるような。



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 ほんとに帰って大丈夫なのかなぁ……。


 言いつつダイスをふった夏彦は、なんと、もう一度、学校に入っていく。


一同 帰らないのー!?


夏彦 羽ペンの情報収集を☆


GM り、了解です(笑)。 羽ペンの情報収集、理知10でどうぞ!


夏彦 おれ、『特徴・学校』があるので、プラス3でー……6!


GM 近藤先生が所持しているという情報を得て行ってみましたが、近藤先生が持っているのは、ボールペンに羽がついたものでした。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 もう、探しに行きます。図書館に向かいつつ、道行く人に羽ペンが落ちてなかったか聞きます。理知判定、クリアしました。


GM マーリンから連絡が入ります。 「頑張ってる君たちに、プレゼント・アドバーイス! ギルティの師匠のサカキが、いい羽ペンを拾ったー! と自慢しておったぞ」


ギル 隠れ家だ! 俺が行きます!



シーンプレイヤー ブロイズ


GM ぴったりのマスに止まりました! 黒いワンピースの女性がショーウィンドウを熱心にながめているのを発見しました。


ブロ エイム! スーツケースを! 指示を出しつつ、カツカツ歩いていきます。 あの、すみません。


GM 「わたくしに御用でしょうか?」 直角にふりむき、女性はブロイズの正面に。


ブロ これが、私の家の食器棚から出てきたんですが。 スーツケースを見せます。


GM 「まぁ。これは、わたくしのものに相違ございません」 とても冷静に切り返し、レスはポケットから、ハンカチに包まれた小さなティースプーンを取り出します。ティーカップと同じ薔薇の模様のついたスプーン。 「拾って頂き、有難うございました」 またも直角にお辞儀をします。


ブロ こちらこそ(疲)。


GM レスはスーツケースを受け取りました。 「怪我はないか!」 ……キザクとレスも合流しました。 キザクがあれこれと話しかけ、レスは逐一、きっちりと返事をしています。


ブロ 自分の存在が変に誤解されないかなぁと心配しつつ、他の皆に報告します。


隆之 なくしたものはないか、騎士とメイドに確認して下さい。


GM 「この槍だけは、死んでも離さぬ!」「今、こうして、この手に戻って参りました」


ブロ あの、エプロンは……。


GM フェイスレスは、ポケットから正方形に折りたたまれたエプロンと、ヘッドドレスを取り出します。 「仕事中以外は、外しておりますゆえ」


 ブロイズ、メイド・フェイスレスを保護。




   ミドル07――午前12時


シーンプレイヤー ギルティ


GM 日が照りつける午後12時。隠れ家に到着しました。今日はオフらしいサカキがくつろいでいます。 「帰ってくるの早かったねぇ、ギルティ! お茶いれてー」


ギル 人任せか! ぶちぶち言いながら、お茶をいれます。


GM 「ありがとう。今日の特売品は買えたのかい?」


ギル それどころじゃないんだ!(怒) 羽ペン知らないか、羽ペン!


GM 「はねぺん? ナンノハナシダイ?」


ギル 目をそらさず、きちんと言って下さい、師匠!


GM 「だって、魔力が乗ってる羽ペンとかそうそうないし、返したくないー」


ギル 駄々をこねるな! 世界の危機だ!


GM サカキは、羽ペンを持っているのに渡してくれません。自力で探しましょう。はい、理知判定!


ギル ちょうど10!


GM サカキのローブを剥いた結果、羽ペンが転がり落ちてきました。 「あああー、それ、使い勝手良かったのに。羽ペンに付着した魔力程度なら、どうにかなるのにぃいー」


ギル そういう問題じゃない! 危機だと言っているだろう!


GM 「大体、誰に返せばいいかわかってるのー?」


ギル 異世界から来た人のものなのっ。


GM 「ちっ。知ってたんだ……ごまかせない」


 ギルティ、羽ペンをゲット。皆に報告。



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 夏彦ハウスに着いた。こっそりとタマに会いにいく。


GM こっそり? なら、どうせなら反射判定しましょうか♪


夏彦 しかし、あっさりとクリア。


GM むぅ。 さて、こっそりとタマホームに忍びこんだ夏彦ですが、タマはおりません。お散歩中のようです。


外野の隆之 誰が連れていったんだ?


夏彦 それを問いただしに、結局、門下生のもとへ(笑)。


GM 門下生にとっつかまります。 「あんな一大事に、いったいどこへ行ってらしたんですか、ぼっちゃーん!」


夏彦 誰も連絡しなかったくせに!(笑)


GM もみくちゃにされながら状況を聞くと、タマは 「道場破りが来て危険だから隠れているように」 と逃がされたことが判明しました。


夏彦 タマひとりなのか。


GM 夏彦は、そのまま 『道場破りなどという一大事があったときに、どこで何をしていたのか』 を古参の門下生に問いつめられ、動けません。


夏彦 道場破りをしていた騎士様の主の王様が友達の家で傍若無人を働いていたので、助けに行っていました。


GM 「またそうやってごまかそうとして!」


夏彦 正直に話しただけなのに!(笑) 皆に連絡だけします。 「タマは……行方不明」


隆之 割と最悪な事態ですよ!?


夏彦 なんとなく公園にいる気がする。


ギル なんとなく!?(笑)


ブロ 公園や図書館は、マップにあるのに行ってませんしねぇ。


隆之 手分けして探しましょうか。



シーンプレイヤー 隆之


隆之 犬を探します。


GM 達成値が足りないので、何もわからないです。


隆之 すいません、みつかりませんでした! 次どうぞ!(笑)



シーンプレイヤー ブロイズ


ブロ 私は、庵に向かいますねー。


外野の隆之 図書館に行って調べるという手もあるが。


ブロ タマが図書館に入るというのは考えがたいですよ。夏彦ハウスも帰路だけど……。


GM もちろん、寄ってもかまいませんが……ブロイズは、道場破りと一緒ですよ。


ブロ どこにも寄らずに庵に向かいます! 道すがら、ワンコを探します。


GM 反射判定をお願いします。14、充分ですね。

 さっきの猫が 「タマ先輩のことが聞きたいんだにゃ!?」 とやってきます。


ブロ え、猫が来るの?


GM 犬と猫の垣根を越えた舎弟関係が結ばれているのです。 「なんでも聞くがいいにゃ! タマ先輩の一の舎弟、このポチに!!」


外野の夏彦 ポチって! やっぱりか!(笑)


ブロ ええと……タマさんは、ペンダントをくわえて……。


GM 「なんと! タマ先輩がそのような装身具をお召しになるとは……!」


外野の隆之 知らないのか。がっかりだよ!


ブロ いえ、そうではなく。ペンダントをくわえてどこかへ向かっていたとか……。


GM 「タマ先輩の縄張りは、もっと西のほうだから。あんまりこのあたりには来て下さらないにゃ(しょぼん)」


ブロ 西……皆、東に固まってるのに(笑)。では、連絡をいれておきます。


GM 「タマ先輩は、ひなたぼっこがお好きだにゃ!」


ブロ じゃあ、早いうちにみつけたほうがいいのか。




   ミドル08――午前12時30分


シーンプレイヤー ギルティ


ギル 寄ったほうがいいのかなー……西山な気がするんだがな……いいや。公園にとまる。


GM はい、タマいます。


外野の夏彦 おおー! ギルティぐっじょぶ! 飼い主の勘も当たった!(笑)


GM ギルティはタマと仲良しなので、判定が少しプラス修正されますよ。


ギル ……ファンブった。


GM …………タマは、不機嫌でした。 「ギルティさん、いいところに! 聞いておくれよ! なんなんだい、あのうっとうしいオッサンは!」


ギル そうですかー。大変でしたねー(なでなで)。


外野の隆之 え、ちょっと、ペンダントは?


GM ファンブルが出ちゃいましたので。ギルティが話をする暇もなく、タマの愚痴がはじまります。


ギル まぁ、つかまえておけますし。


GM ギルティが少しでも注意をそらすと 「ギルティさん、ちゃんと聞いてくれてるかい!?」 と絡んでくるので、連絡ひとついれることができません。



シーンプレイヤー 夏彦


GM 脱出判定、どうしようかなぁ……。


夏彦 全員を倒して……範囲攻撃の《なぎ払い》を……。


GM 逃げるんじゃなくて!?(笑) 順当に、幸運あたりでいきましょう。幸運で8。


夏彦 余裕!


GM もう少し辛くても良かった(笑)。では、もう一度ダイスをふって、移動して下さい。


夏彦 どこに行こうかなー。


外野の隆之 公園に向かわないんですか?


夏彦 ギルティに任せた。おれではタマの心は開けない。


外野の隆之 飼い主があきらめた……。


夏彦 あ、忘れてた、術者のことが不明だ。でも、それってどう調べればいいんだろう……送り出すときや呼び出すときに、魔方陣とか使ったりしないのかな。


GM 術者によります。ただ、本に対する知識がないといけませんので、読書家であるとか、古い巻物とか……そーゆーの、ベタですよね(意味深)。


外野のギルティ 十琶の家が怪しい。


夏彦 なら、十琶ちゃんに連絡してみよう。クエスター絡みのトラブルだし。


GM シャードで連絡ですね。どう話しかけます?


夏彦 今、かくかくしかじかで、こういう事件が起こってるんだ☆


外野の隆之 ぜんぶ説明するのか(笑)。


GM 「わたくしのせいにござりまするううう!!」


外野のギルティ やっぱりー!


GM 「わたくしが悪いのです、あにさまのお役に立ちたいばっかりに書庫を整理しておりましたら、妙な巻物をひらいてしまい……っ」

 正確にいえば。兄の書庫をハタキで掃除していたら、巻物のなだれが起きてしまったのです。オープニングフェイズの隆之と同じ状況ですね。いろんな術式の描かれた巻物がランダムオープンし、召喚術が乱発生してしまった。

 「どうすればよいかもわからず、ひとつずつ巻物を閉じているのですが……っ。どう致しましょう、陽が沈むまでに後始末を終えなければ!」


夏彦 重要なワード出た!


GM そこを追求するのであれば、知覚判定で対決です。


夏彦 16!


GM 負けたっ、11だ!

 泣きじゃくる十琶をなだめた結果。十琶がトラブルを引き起こしたのが午前9時。太陽が出ている時間です。術式は同条件で行わねばなりませんので、陽が沈むまでに帰還させなければ戻れないことが判明します。日没は、かなり早いですが午後4時。


夏彦 十琶ちゃん、大丈夫だよ! おれ達がなんとかするから!


GM おっ。


夏彦 だって、その情報なくても、返還方法は既にわかってるし!(酷)


外野の隆之 ……待て。還すときの場所は、どこでもいいのか?


夏彦 とりあえず、十琶に 「今度はトラブルがおきたら相談して」 と伝える(苦笑)。


GM はい(笑)。通信、切りますよ。


夏彦 おれは、皆に連絡する……駄目だ。人の失敗を伝えるのはやりづらい! 十琶ちゃん、自分で連絡して!


GM では、十琶から皆に連絡を。ことの発端が十琶であること、現在、巻物を必死に閉じていて、召喚の後始末は綺麗に終えられそうなことが発覚します。


隆之 あ、では、さっきの疑問を聞く!


GM 「通常召喚であれば、サモナーの方に返還をお願いできますが……今回は、事故のようなものゆえ、術者であるわたくしが返還せねばなりませぬ」


隆之 ということは、山を登るのか。


GM 更に。 「隆之さま、一緒に来て下さいませ。わたくし、サモナーではございませぬゆえ、正式な召喚術は使えませぬ……!」



シーンプレイヤー 隆之


隆之 方向転換して、マーリンの庵に向かいます。迎えに行かねば。


外野の夏彦 いや。3人のお迎えなら、次のラウンドでおれがいけるよ。


隆之 そうか。なら、素通りしよう。



シーンプレイヤー ブロイズ


ブロ 西山に方向転換し、向かいます。




   ミドル09――午後1時


シーンプレイヤー ギルティ


ギル 反射判定、クリア!


「聞いてくれてありがとうよ、ギルティさん」

 根気強く愚痴を聞いた結果、タマは満足したようだ。ギルティは、やっと下に放り出されていたペンダントを拾うことができた。

「それ、拾い物なんだけど。必要なのかい? なら、あげるよ。つまんない愚痴を聞かせちまったワビさ」



シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 ダイス目が悪くて庵に着かない……また1マス足りない。


外野の隆之 やーばーいー。


夏彦 颯太に連絡して、もう一度 「あなたの家の前にいるの」 を……って、もしかして、颯太に 「3人を連れてきて」 ってお願いしたら、つれてきてもらえる……?


GM (超笑顔)はい、可能です♪ クエスターNPCが付き添えば、NPCのみでの行動も可能。逆に、この世界のことを知らない3人のみでの行動は不可です。ので、NPCはガンガン活用して下さいねー♪


外野の隆之 そうか、そんな手が……だからNPC多かったのか……。


夏彦 颯太も一緒に来てもらえばいいのか?


外野のブロイズ マーリンは? もし、術式が失敗したとき、マーリンがいればなんとか……。


夏彦 えー……でも、マーリンが来たらややこしい。


外野の隆之 確かに(笑)。


夏彦 よし、ここは颯太で。颯太! 3人を連れて十琶ちゃんの家にGo!


GM 「わかった! とりあえず家から出るよ!」 ガラリ。合流です(笑)。


 その後は、全員がひたすら十琶の家を目指す。が、山登りは1マスすすむためにダイス目2を使うせいもあり、なかなか到着できない。

「固定値でいいから、NPC(颯太)に先頭を任せたい……」

 そんな弱音も出つつ、時は過ぎてゆく。




   ミドル11――午後2時


シーンプレイヤー 隆之


隆之 ひとりめ、到着!


GM お疲れ様です。では、巻物を閉じて下さい。


隆之 は?


GM 「隆之さま、申し訳ございませぬ。まだ、召喚に使われた巻物を閉じきれておらぬのです! どうか、御手をお貸し下さいませ!」


隆之 ……了解です。みんな早く着け(笑)。


 まだ作業があると知ったとたん、妙に出目がよくなるPC達。皆、一気に山を登りつめる。

「お疲れ! 巻物を閉じろ!」「メイド達にも手伝わせろ!」 騒ぎながら、次々と必要なピースは揃ってゆく。




   ミドル12――午後2時30分


シーンプレイヤー 夏彦


夏彦 ラストー! 着いた!


GM 巻物閉じイベントは5回の設定でしたのでー……もう1回、隆之が巻物を閉じて、ミッションクリアです。おめでとうございます!




   エンディング――十琶の家


 来訪者達はそれぞれ、馴染み深かった協力者の元へ向かう。


GM シャイレードはギルティに抱きついて、笑顔を浮かべます。 「ありがとーっ! これで帰れるー!」


ギル はいはい、良かったですね。


GM 「最初に会えたのが、アンタで良かった。ありがとう!」



GM ルディエールは夏彦に近づき、胸を張って宣言します。

「リナリア国王位継承者の証たる王冠を取り戻せし働き、賞賛に値する。わが国に来たときは訪ねて来るがよい。雇ってやらんこともないぞ」


夏彦 うわぁ、嬉しくないエンディング(笑)。



GM サラヴァネは隆之の前に立ち、深々と頭を下げます。「なにからなにまで、世話になりました。御協力、感謝致します」


隆之 それはかまいませんが、方向音痴がなおる方法を知りませんか。


GM ちょっと考えてから、十琶に紙をペンを用意してもらい、さらさらと何かを書きつけて渡します。 「この世界においても、通用するかはわかりませんが」


隆之 おお。頂きます。



GM 「次会うときこそ、決着を!」 暑苦しく語るキザクの後ろで、フェイスレスが憮然とした顔をしています。


ブロ あはははは……(苦笑)。


 好き勝手なことを言いながら、はた迷惑な来訪者達は、十琶と隆之が編み出した光の中に還ってゆく。  あるはずのなかったひとときの邂逅。クエスター達は、疲労やら疲労やら疲労やらをにじませ、彼らを見送った。


夏彦 最後に、十琶ちゃん……残念なお知らせがあるんだ。


GM 「え、な、なんでございましょうっ?」


夏彦 皆、そのままの姿で帰らなきゃいけない……つまり、土足だったんだ。


GM 「なんとっ!?」(一同笑)